「マンガ当てクイズ」(8月16日)

「はい、どうもー。シンタマカブリでーす」

「よろしくお願いしまーす。拍手ありがとうございまーす。おっ、今日のお客さんはいいですね。もう笑ってくれてる人がいるもん。僕らなにもしてないのに」

「いいことじゃないですか。なにもしてないのに笑っていただけるなんて」


「もうウケたし、今日は終わりで良くない?」

「いいわけあるか。さっさと漫才はじめないとお客さんの笑顔がなくなってくぞ」


「そういえば、今日さ。楽屋でずっとスマホ見てたよな。あれお前、何見てたの?」

「あー。マンガだよ、マンガ。電子コミック」


「マジか。僕もマンガ好きなんだよね。何を読んで……いや、何を読んでたか当ててやる!」

「は? どゆこと?」


「だから、お前が読んでたマンガを僕が当てるっていうクイズをやろう」

「クイズ。なるほどね」


「お前は読んでいたマンガの特徴をヒントに出す。んで、僕が答える。外れてたらもう一個ヒントを出す。その繰り返しな」

「オーケー。理解した。やってみよ」


「よしこい」

「じゃあまず一つめのヒントな。まずジャンルは海賊もの」


「わかった。ONEPIECE!」

「残念、外れ」


「えー!? ウソだよ。電子コミックに出てる海賊マンガとかONEPIECE以外に存在しないでしょ」

「そんなわけあるか。電子コミック市場にどれだけのマンガが並んでると思ってんだ」


「じゃあ、好きなキャラは?」

「好きなキャラは……、あっぶね。名前言ったらダメだよな」


「ちっ」

「なにズルしようとしてんだよ。好きなキャラの特徴な。主人公たちの船に乗ってて、コックで、実は王族の息子っていう過去があるんだけど」


「ピンポン! ONEPIECE!!」

「だから違うって言ってんだろ」


「主人公の仲間で、船のクルーで、コックで、実は王族の息子とか、そんなんヴィンスモーク・サンジしかいねえだろ」

「いるんだよ。たまたま偶然にも同じような境遇のキャラが出てくるんだよ」


「マジかよ。じゃあ、そうだな……その作品のどんなところが好き?」

「やっぱり友情とロマンだな。世界中を旅して、深まっていく仲間とのきずな。海賊として成長しながら、謎を解明していくところがたまらんのよ」


「三度目の正直! 正解はONEPIECE!!」

「クイズに三度目の正直とかないから! いい加減、ONEPIECE以外の回答出せよ。お前、海賊ジャンルのマンガONEPIECEしか知らねえのかよ」


「ここまで特徴が一緒で別のマンガとか想像つかねえもん」

「仮にもマンガ好きを名乗っておきながら、結果がお粗末すぎるだろ。ダメ元でいいから、他のタイトル出してみろって」


「じゃあ、もっと内容に踏み込んだ特徴を教えてよ」

「仕方ないなあ。そうだなあ、主人公は特別な血筋で――」


「ほら、ONEPIECE! 出た、ONEPIECE!! 特別な血筋、それはDの一族。つまり正解はONEPIECE!! はい、僕の勝ちー!!」

「せめてヒントを最後まで聞けよ。もうONEPIECE以外の答えを認める気ないだろ、お前」


「いやだって、ここまでのヒントは全部ONEPIECEに当てはまるじゃん。ONEPIECEじゃないって特徴があるなら出してみろよ」

「あるよ。出版社が秋田書店」


「あー、残念。僕、ジャンプ以外のマンガ読んだことないんだよね」

「ここまでの時間を返せ、バカ」


「「ありがとうございましたー」」




      【了】




🎤🎤🎤🎤🎤🎤🎤🎤🎤🎤🎤🎤🎤🎤


8月16日は「電子コミックの日」だそうです。

制定は2004年。CMでもおなじみの「コミックシーモア」がサービスをスタートした日にちなんで、とのこと。つまり「コミックシーモアの日」ですね。


ちなみに上の漫才で語られなかったクイズの答えは『フルアヘッド・ココ』です。


さて、残りは15本。

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