第4話挑戦者

ミニゲームが終わり、正樹と博人は新たな試練に挑むために、再びDEMONの部屋に集められた。部屋の中には、先ほどと同じように二十人ほどの参加者が揃い、緊張した雰囲気が漂っていた。

DEMONが部屋の中央に立ち、参加者たちに向けて不気味に笑う。「お待たせしました。次のミニゲームは『鬼ごっこ』です。」

正樹と博人は、その言葉に驚きつつも、互いに視線を交わす。部屋の中での鬼ごっこがどのように進行するのか、すぐには見当もつかない。

「このゲームのルールは簡単です。」DEMONが続ける。「あなたたちのペアが鬼になります。他の参加者たちは逃げる側です。制限時間内に全員を捕まえた場合、あなたたちの勝利となります。」

DEMONが手を振ると、部屋の隅にあった壁がスライドし、広い迷路が姿を現した。迷路の中には、隠れる場所が多数用意されており、参加者たちはその中で身を潜めることができる。

「逃げる側には、『逃げる権利』が与えられます。失敗した場合には、厳しいペナルティが待っています。」DEMONが冷たい声で言い放つ。

博人と正樹は、互いに力を合わせて鬼ごっこに挑む準備を始めた。迷路の入り口に立つ二人は、周囲を見渡しながら作戦を立てる。

「この迷路、広いな…」正樹がつぶやく。「でも、俺たちの協力があればなんとかなるはずだ。」

「うん、そうだな。」博人は頷きながら、正樹を見つめる。「お前が前に行って、俺が後ろをカバーする形でいこう。」

二人は、それぞれの役割を決め、迷路の中に突入する。迷路の中には、無数の隠れ場所があり、参加者たちはその中に潜んでいる。

迷路の中で、正樹と博人は慎重に動きながら、参加者たちを追い詰めていく。正樹が迷路の角を曲がると、突然、小さな物音が聞こえる。すぐに反応し、隠れている参加者の存在を察知する。

「こっちにいるぞ!」正樹が大声で叫ぶと、迷路の奥から逃げる音が聞こえる。博人はその声を頼りに、隠れている参加者の動きを追い詰める。

「こっちも見てみる。」博人が冷静に言いながら、正樹と共に迷路の中を探索する。二人は協力しながら、迷路の中を駆け巡り、参加者たちを次々と捕まえていく。

時間が経過する中で、正樹と博人は次第に捕まえた参加者の数が増えていく。しかし、迷路の広さと複雑さにより、捕まえるのは容易ではなかった。参加者たちは必死に逃げ回り、迷路の中に巧妙に隠れ続ける。

「あと少しで全員捕まえられる。」博人が息を切らしながら、正樹に言う。「この調子でいけば、なんとかなるはずだ。」

正樹は博人の言葉に応え、迷路の奥深くまで進んでいく。その途中で、またもや隠れている参加者を発見する。

ついに、全員を捕まえることに成功した正樹と博人は、迷路の中央に戻ってきた。DEMONが待つ場所に到着すると、歓声と共に彼らの成功を称える。

「お見事です、鬼ごっこをクリアしました。」DEMONが言いながら、手を叩く。「これであなたたちは、次のステージへと進むことができます。」

DEMONが部屋の中央に立ち、新たなルールを発表する。正樹と博人は、再び緊張が高まるのを感じながら、その言葉を聞く。

「お疲れ様です。鬼ごっこの第一回戦は無事に終了しましたが、今から第二回戦を始めます。」DEMONが冷酷に微笑む。「今回はルールが変更されます。捕まった参加者は死亡します。そして、鬼が一人でも捕まえた時点で、そのゲームは終了となります。」

部屋の中にざわめきが広がり、参加者たちは恐怖と混乱の表情を浮かべる。正樹と博人は、その言葉に冷や汗をかきながら、覚悟を決める。

「ルールが変わるなんて…、どうする?」正樹が博人に尋ねる。

「これがDEMONのやり方だ。俺たちは、これまで通り全力でいくしかない。」博人は冷静な表情で応える。「でも、今回は気を引き締めて、確実に捕まえていこう。」

迷路が再び開放され、参加者たちは恐怖に震えながら、再び逃げる準備を整える。正樹と博人は、鬼役として迷路の中に突入し、残酷な試練を迎える。

迷路の中で、正樹と博人は慎重に行動しながら、参加者たちを追い詰めていく。迷路の狭い通路を駆け抜ける中で、参加者たちの悲鳴や恐怖の声が響く。正樹と博人は、目の前に現れる逃げる者たちを捕まえるため、全力で追いかける。

「逃がすな、博人!」正樹が叫びながら、目の前の参加者に迫る。

「分かってる、正樹!」博人はその声に応え、捕まえた者を厳しく取り締まる。

迷路の中で、捕まった参加者たちはそのまま命を落とす。正樹と博人が捕まえた者たちの体が、残酷に地面に倒れる。その姿は、目を覆いたくなるほどに惨酷だ。

「こんなこと…」正樹は息を呑みながら、目の前で繰り広げられる光景に心が痛む。「でも、これが生き残るための現実なんだ。」

博人もまた、同様に残酷な光景を目の当たりにしながら、感情を抑えつつ冷静に行動し続ける。二人は、捕まえた者たちを容赦なく処理し、次々と捕獲していく。

時間が経つ中で、正樹と博人は次第に捕まえた人数が増えていく。残りの参加者たちは恐怖と絶望の中で必死に逃げ続けるが、その姿は次第に追い詰められていく。

「もうすぐ全員捕まる。」博人が息を切らしながら言う。「この調子で、全員を捕まえてしまおう。」

正樹はその言葉に頷きながら、最後の捕獲に向けて集中力を高める。迷路の中で、残りの参加者たちもまた必死に逃げるが、その抵抗もむなしく、次々と捕まっていく。

ついに、正樹と博人は残りの参加者を全て捕まえることに成功した。迷路の中には、死亡した者たちの無惨な姿が広がっており、その光景は想像を絶するほどの惨劇だ。

「これで終わりか…」正樹は息を吐きながら、迷路の中での終息を迎える。

博人はその隣で、冷静に周囲を見渡しながら答える。「お前も分かっているだろうが、これがこのゲームの現実だ。」

DEMONが部屋に現れ、二人の努力を称える。「お見事です。第二回戦もクリアしました。これで次のステージへ進むことができます。」

正樹と博人は、疲れ切った体を引きずりながら、新たな試練に向けて心を引き締める。これまでの試練で深まった絆と共に、次なる挑戦に向けた準備を整えるのだった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る