第3話恋愛感情

「敬語はやめろよ、正樹。」

部屋の中で、博人が無造作に言い放った言葉に、正樹は少し驚きながらも、その無遠慮な言い方にどこか安心感を覚える。博人は意図的に距離を縮めるような言動をしており、正樹は少しずつ心の距離を縮めていく感覚を抱いていた。

「わ、わかった。博人。」

二人は今後の作戦を立てる中で、次第に会話が自然なものになっていった。残酷なゲームの中で互いに信頼を深める努力をしながら、博人と正樹は協力し合っていた。

しばらくして、部屋の中に突如として映像が流れ始めた。映像には、「ミニゲーム」の説明が映し出されていた。部屋の中央に置かれた機械がそのゲームの内容を説明し、正樹と博人の緊張が高まる。

「このミニゲームでは、参加者たちがペアでお互いの気持ちを理解するための質問に答えます。正直な回答が求められますが、嘘をつくと脱落する恐れがあります。」

正樹と博人は、互いの気持ちを確認し合うためのゲームに参加することになった。部屋に設置された装置が、様々な質問を次々に表示し、その度に参加者たちが答えなければならない。

ゲームが開始され、部屋の中には他の参加者たちも加わっていた。博人と正樹は、初めて一緒に取り組むゲームに少し緊張しながらも、互いの気持ちを確認するために協力し合うことにした。周囲のペアが互いの答えに戸惑いながらも、次々と問題に答えていく。

「お互いのことは好きですか?」

質問が画面に表示され、部屋の中に緊張が走る。正樹は博人の方を見つめ、博人も正樹をじっと見つめ返す。周囲では、他のペアが互いに嘘をつき、次々と脱落していく中、正樹と博人の番が回ってきた。

「はい、好きです。」

正樹は博人と目を合わせながら、強い決意を持って答えた。博人も同様に答える。

「俺も、好きだよ。」

正樹と博人の答えがスクリーンに表示されると、周囲のペアから疑いの目が向けられる。スクリーンには、正樹と博人の答えが「信じられるか?」と表示され、部屋の中に不安が漂う。正樹と博人の言葉が本物かどうか、他の参加者たちの判断が注目されていた。

「これが本当だというのなら、証拠を見せろ。」と、DEMONの声が部屋に響く。

正樹と博人は、他のペアの失敗を見ながら、証拠を示すための方法を考える。博人は正樹に向かって、冷静な声で提案する。

「証拠にしよう。ここで、俺たちの気持ちを確かめるためにキスをしよう。」

正樹は一瞬の躊躇を感じながらも、博人の提案を受け入れ、二人は互いに近づく。口を重ねる瞬間、部屋の中にざわめきと驚きの声が広がる。二人のキスが、証拠となり、周囲の参加者たちもその情景に驚愕する。

キスが終わると、部屋の中に落ち着きが戻り、スクリーンに「信じられる」と表示される。正樹と博人はその結果にほっとしながらも、次のステージへの移動を示す合図が流れる。部屋の扉が開かれ、二人は別の部屋へと移動する準備を始めた。

「よかった、証拠になったな。」と博人が安堵の声を漏らす。

正樹はその言葉に応じて、小さく笑いながら、次なる試練に向けて準備を整える。部屋を移動し、他の生き残った者たちと合流することで、次の試練に挑む決意を固める。

新たに移動した部屋では、生き残った他の参加者たちと再会する。部屋の中には、緊張した雰囲気が漂っており、正樹と博人もその空気に溶け込んでいた。博人は正樹の手を軽く握りながら、次の試練に向けて心を一つにする。

「これからも、俺たちで協力して乗り越えていこう。」

正樹は博人の言葉に頷き、二人の間に新たな信頼感が芽生えていることを感じながら、次なるステージへの準備を進める。部屋には、これから始まる残酷な試練に対する覚悟と、二人の新たな絆が感じられる。

ミニゲームを終えた正樹と博人は、互いの信頼を深め、次なる試練に挑む準備を整えていた。二人の間には、新たな絆が芽生え、次に待ち受ける挑戦への期待と不安が交錯している。

部屋の中には、再びDEMONが登場し、新たなゲームの内容を説明するための映像が流れ始めた。スクリーンに映し出されたのは、巨大なダニの群れ。正樹と博人は、その映像を見ながら緊張と不安を抱えていた。

「第二のゲームは、ダニの駆除です。」DEMONの声が部屋に響く。「このダニは一見簡単に見えるかもしれませんが、実際には50匹以上のダニを駆除しなければなりません。数が多く、手ごわい相手です。失敗すれば、ただでは済みません。」

映像が終わり、部屋の中に設置された装置からダニの情報が表示される。正樹と博人はその内容を確認し、作戦を立てるために迅速に動き始める。

「50匹もいるのか…、簡単にはいかないな。」正樹は眉をひそめながら、ダニの数に驚きを隠せない。

「でも、俺たちならやれる。」博人は冷静な表情で正樹を見つめ、確信に満ちた声で言う。「お前となら、この試練も乗り越えられる。」

正樹は博人の言葉に励まされ、心の中で強い決意を固める。二人はダニの駆除を成功させるため、協力して作戦を練り始めた。

部屋の中央に設置されたテーブルには、ダニ駆除用の道具が並べられている。正樹と博人は、その道具を手に取りながら、慎重に計画を立てる。博人はその冷静な分析力を駆使し、正樹と共に効率的な駆除方法を考えていった。

「まずは部屋の隅から始めよう。隠れているダニも多いから、少しずつ確実に駆除していくことが重要だ。」博人はそう言いながら、ダニ駆除のためのスプレーを手に取り、正樹に渡す。

「了解しました。」正樹は博人の指示に従い、スプレーを使いながら部屋の隅々を確認していく。二人は協力し合い、細心の注意を払って作業を進めていく。

作業が進むにつれて、部屋の中には無数のダニがうごめいている。ダニの数が多く、時折気持ち悪いほどの存在感を放っているが、正樹と博人はその不快感を乗り越え、冷静に対処していった。

「もう少しで終わりだ、正樹。」博人が言う。その声には、確固たる信頼と安心感が込められている。正樹はその言葉に応え、作業を続ける中で次第に笑みを浮かべるようになっていた。

ついに部屋の中のダニがほぼ駆除され、残り少ない数となった。正樹と博人は互いに顔を見合わせ、達成感を共有する。正樹は、博人と共にこの試練を乗り越えられたことに、心からの安堵と喜びを感じていた。

「やったな、正樹。」博人が笑顔を見せながら、正樹に肩を叩く。「これでまた一歩前進だ。」

正樹はその笑顔に応え、心からの笑みを浮かべる。「ありがとう、博人。お前と一緒にいると、どんな試練も乗り越えられる気がするよ。」

部屋の中には、二人の達成感と新たな信頼が広がっていた。DEMONの声が響き、次なる試練に向けた合図が告げられる。

「お疲れ様でした。次の試練に進む準備を整えてください。」

正樹と博人は、新たな試練に向けて心を引き締める。部屋を移動する準備を整えながら、これから待ち受ける困難に対しても、一緒に乗り越える覚悟を固めていた。二人の間に芽生えた絆は、次なる試練への大きな力となるだろう。


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