第2話―模擬戦
「――ふむ、掴めたぞ」
刹那、魔力の嵐が吹き荒れる。私はそれを真正面で食らい、吹き飛ばされ、背中から感じる衝撃に声が漏れる。
「グッ……」
「普段使わない得物だから掴むのに少々手こずったが……ただの木刀でも悪くないな」
「……何なのです、それは……」
「極致、と言われる奥義だ。自分の剣と己、双方の魔力を一つにし、魂に触れ、その力を最大限に解放する技だ」
「……剣すらも極めているのですか。やはりまだまだ敵いませんね、姉上には……。……私の負けです」
「私もまだまだだ。あの体勢を崩す技、見事だ。あれは初見じゃ見切れなかった」
「
「うむ、私が極致を使ってなかったらお前の勝ちだな。私が一枚上手だっただけのことだ」
「そうですね……。ですが、いい経験になりました。また少し1人で鍛錬してみます」
「そうか。では私も魔力練度を高めるとしよう」
姉上の魔力が消えた、あの感覚……。あれを自分のものにできれば、私はまだ強くなれる。あの感覚をものにするべく、私は剣を正眼に構え、目を閉じ、深く呼吸を繰り返す。
と、その時、森の入り口から声がした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます