第1話

キッチン、ソファー、ベットなど家の外見によらず豊かな暮らしをしているように思えた。

入ってすぐの席に着くと向かいのキッチンから少女が飲み物を出しくれた。

軽く息をついてから、本題に入った。

「ブリークさんはどちらの出身で?」

「極東にあるハルヌという村です。今はないですが」

「それは申し訳ない。では、なぜ中部のこの村を助けようと思ったのですか?」

何だが、誘導尋問のように感じた。

「末端から反逆しても、意味ないですから」

「ところで、この村で戦いの腕が一番立つ方を教えて頂いてもよろしいですか?」

「それなら、いますよ。ほら」

さっきの少女だった。とてもだがそうには見えない。村長が、目を見開いて言った。

「あなたは我々に何を求めるのですか」

「協力者になり、王を倒すこと。そして怯えずに生きることです」

「分かりました。全ては信じられませんが、信じてみましょう」

俺は席を立った。

「君の名前は」

「ハイレン・セア」

「じゃあ、セアさん、いきなりですが手合わせ願えないですか」

彼女は村長を一瞬見てから答えた。

「加減は出来ないですよ」

言葉の通り、制御出来ない力なのだろう。でなければ、村はこうなってるはずがない。

「構わないですよ。1時間後に広場で」

「分かりました。準備してきます」

それではお手並み拝見といこう。

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止まらぬ刹那、世界は揺らぐ ミリリ @alter_ego_ist

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