どこかの誰かが二股疑惑

 百合猫…

 

 彼氏できたん⁇

 

 それともかれって苗字の友達ができたってこと⁉︎

 

 

 …

 

 

 できれば…彼氏じゃなくて枯氏という名のお友達であって欲しい…。

 

 

 百合猫に確認しなきゃだ。

 

 

 まぁ、オレはフラれてるし…

 

 あんたに関係ないって言われたらそれまでなんだけど…でも‼︎

 

 でも、気になるっ‼︎

 

 

 ほ、ほんとに彼氏なん⁉︎

 

 もし…そうなら…

 

 そうだとすれば…

 

 これはもう…

 

 どうしようもありませんっ‼︎

 

 百合猫かわいいし、今までだれとも付き合わなかった方がおかしかったんだもんね…。

 

 まぁ、百合猫が兄貴に恋してたからってこともあるけどさ…。

 

 

 てか、百合猫…もう家に来ないのかな…。

 

 

 そしてそのまま疎遠になるんだろうな。

 

 …

 

 悲しみの汁にどっぷり浸かった気分です。

 

 そんな汁ないだろうと言われるかもしれない…。

 

 しかし‼︎

 あるんです。

 

 オレの心は悲しみ汁で溢れそうです。

 というか…溢れています。

 

 

 知らない間に目からもポロポロと溢れ出ております…。

 

 

 百合猫ー…

 

 百合猫ー…

 

 

 うううううっ…

 

 

「えっ、大丈夫⁉︎」

「だめ」

 

 ⁉︎

 

 思わず大丈夫?と聞こえてきたので、とっさにダメと答えたけど…この声って…やっぱり…あの人だよね…?

 

 目から悲しみの汁が溢れ出ていてよくわからなかったけど、この声は…百合猫だ。

 

 

「なにがあったの⁉︎もしかして…」

「うん。そうだよ…二度目の失恋」

 

 

「え?別れたの?」

「そうだね…ある意味…もういい加減気持ち的に、別れなきゃだよね」

 と返すと百合猫は、

 

「そうなんだ…せっかく順調だったのにね」

 と言いました。

 

 …

 

 え?

 

 オレと百合猫順調だったの⁉︎

 

「そうなの⁉︎」

 

 オレは百合猫を真剣な眼差しキランキランでみた。

 

 

 そしたら、

「そうでしょ?」

 って言ったんですよ⁉︎

 

「え、じゃあ彼氏ができたってのは…」

 

「え⁉︎彼氏⁉︎まさか二股されてたって事?」

 と目を丸くする百合猫。

 

「二股⁉︎」 

 オレもびっくりだ。

「確認しなきゃだよ」

「だな」

 

「じゃあ、なんかあったらすぐ連絡ちょうだい。検討を祈るよ」

 と言い残し百合猫は、帰って行った。

 

 

 え?

 逆じゃない⁉︎

 

 その、検討を祈るっていうのはオレの言葉じゃね⁉︎

 

 百合猫…

 

 彼氏できたばっかりで二股されてるかもで…だからきっとパニックなんだな。

 

 

 大丈夫かな…

 百合猫…心配だな…

 

 てか、オレと百合猫って…いい感じでしたの?

 

 彼氏が二股してたらオレの元に来てくれるってこと⁉︎

 

 

 百合猫の彼氏よ…どうか浮気していてくださいって言いたいところだけど…それはあまりにも百合猫がふびん過ぎる…

 

 

 …

 

 どうなんだ‼︎

 彼氏くんよ‼︎

 

 

 …

 

 

 …

 

 

 百合猫からは、次の日になってもなんの連絡もありませんでした。

 

 

 そのかわりに、兄貴が

「最近百合ちゃん変じゃね?」

 と言ってきた。

 

 どうやら兄貴に、なんで一日に二回お着替えしてるの?とか、二股はどうとか聞いてきているらしい。

 

 

 百合猫…

 二股疑惑の彼氏のせいで…

 

 そもそも兄貴との辛い失恋後に彼氏の二股されているかもで、百合猫は…心の病気になってしまったんだね。

 

 かわいそうに…

 

 そんなかわいそうな百合猫にメッセージを送ってみた。

 

 

「二股は、どうなの?」

 と。

 

 すると百合猫は…

 

「はぁ?どういう意味⁉︎わたしをなめないでよね‼︎」

 ときました。

 

 

 てことは…うまくいったって事⁉︎

 

 

 二股をやめさせた?

 

 それとも別れたの⁇

 

 ⁉︎

 

 オレの、どうなの?って言い方がよくなかった…の?

 

 

 …

 

 とにかくわたしをなめないでってことは、みくびるなってことでいいのかな?

 

 

 百合猫は、強いんだな。

 

 

 そうだよ、だからそんな彼氏ごときで百合猫がどうにかなってしまうなんてありえないんだ。

 

 

 百合猫‼︎

 ファイト‼︎

 

 だからオレは、

「そっか。百合猫は、強いな」

 と送った。

 

 

 そしたら百合猫ってば…

 

 

「ほんとにいい加減にして」

 と、またしてもご立腹になってしまいましたよ?

 

 え、待って‼︎

 

 

 強くないってこと⁉︎

 

 

 強いな、からのいい加減にしてってことは…百合猫は、今めっちゃ辛いってことなんじゃね⁉︎

 

 ‼︎

 

 こうしちゃいられない‼︎

 

 百合猫〜‼︎

 

 

 掃除機に追われる猫並みに大慌てで、オレは百合猫の元へ向かったのでありました‼︎

 

 

 続く。

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