ご機嫌ナナメ

 その日の夜、ボクは百合猫に

「今日は、楽しかったね」

 と送った。

 

 

 そしたら百合猫が

「はい?なんか色々間違ってますよ⁉︎」

 と返信が来た。

 

 

 え?

 

 ボクは、百合猫から相当嫌われているようです。

 

 間違ってる…? 

 

 

 どうやらボクは、やらかしてしまったようなのです。

 

 

 あの合コンの場所では、百合猫は…場の空気を悪くしないようにと気を遣ってくれていただけだったようで…

 

 

 まぁ、確かにフッたばっかりの男が目の前にいたら…そりゃ嫌ですよね…。

 

 

 しつこい男…女々しいキモい男って思われて当然なのかもしれません…。

 

 

 なのでそのまま落ち込んで寝落ちいたしました…。

 

 

 次の日、朝からクッションをパンパンとベランダでしておりました。

 

 そしたら…まさかの百合猫が…玄関から出てきましたっ‼︎

 

 

 ど、どうしよう…とオドオドしていると…思わずクッションを落としてしまった…。

 

 

 あぁあぁあぁぁ〜…やらかした…。

 

 するとすかさず百合猫が、

「ほらよー」

 とこっちに投げ返してくれた。

 

 

「あ、ありがとう」

「いえいえ、いつもお世話になっておりますので。それじゃ」

 と、百合猫は…笑顔で立ち去った。

 

 ⁉︎

 

 百合猫?

 

 百合猫は、もう怒ってない⁉︎

 

 

 のかな…?

 

 

 でも、また勘違いしたらあれだもんな…。

 

 だけど、やっぱり百合猫って…百合猫っていいよなー…。

 

 

 ベランダでクッションを日光に当てつつ、ボクも日光浴するのでありました。

 

 そしてハッとした。

 

 今だ‼︎

 百合猫が機嫌のいいうちにメッセージを送ればいいんじゃん‼︎と閃いてしまった。

 

 

 なのでボクは、

 前向きに進むのは、アリだよ‼︎頑張れ‼︎

 

 と、送った。

 

 そしたら…まさかの…

 

「黙れ」

 

 でした。

 

 

 …

 

 

 百合猫…。

 

 さっきの笑顔は…一体…。

 

 

 ボクは、いつもやらかしてしまうんですね…。

 

 百合猫…

 

 一体どうしたらボクと百合猫は、幸せになれるんですかー‼︎

 

 

 …百合猫が幸せになるには、やっぱり兄貴と両思いになるのが一番だ。

 でも…それは無理だ。

 ならば、新しい恋に決まってる‼︎

 

 兄貴を諦めるのが一番に決まってる‼︎

 

 

 だからボクが幸せにしてあげたかったのに…

 

 兄貴と血が繋がっているんだから…ボクでもよくない⁉︎

 

 

 …

 

 そもそもボクって言ってるのもマイナスかもしれない。

 

 兄貴は、自分のことオレって言ってるし…なんか兄貴は、しっかりしてて勉強もできるし弱々しくないもんな…。

 

 

 決めた‼︎

 

 今日から、ボクを脱皮します‼︎

 

 オレです‼︎

 

 もう、弱々しくないオレになります‼︎

 

 

 早速、ボクからオレに脱皮いたしまして数時間後。

 

 リビングに百合猫がおりました。

 

 どうやら猫と遊んでいたようです。

 

 そんな百合猫が今、機嫌がいいのか不機嫌なのか…見極めるのが少々困難なボク…いや、オレはそっと百合猫を見入った。

 

 そしたらオレに気づいた百合猫が

「なんでそんなとこにいるのー?てか、うちのお母さんからクッキーの差し入れあるよ。よかったらどうぞ〜」

 と、ご機嫌な百合猫。

 

 

「マジか、オレこのクッキー大好きなんだよね〜。お母さんによろしく。」

 と、言い残し勉強の合間にいただくことにした。

 

 

 

 ふぅ…

 

 百合猫がご機嫌でよかったぜ。

 

 そんなご機嫌な百合猫にその日の夜、オレはメッセージを送った。

 

「ごちそうさま。美味しかったよ」

 と。

 

 

 そしたら…まさかの…

 

「はぁ?いい加減にしてくれる⁉︎」

 とのお怒りのメッセージがかえってきました…。

 

 いい加減にしてくれる…か。

 

 フったのに、メッセージなんか送ってくるなってことなのか?

 

 

 …うーん。

 

 なんか百合猫は、直接会っているときは普通だけど、どうやらメッセージを送るとめっちゃ不機嫌になるように思われる。

 

 

 …それともオレのタイミングが悪いの⁇

 

 

 なんだろう…

 

 まぁ、でも…とりあえずしばらくは、メッセージ送るのを控えようと考えた。

 

 

 そして直接百合猫が目の前にいる時は、あまり不機嫌じゃないので、兄貴風になりきってみようかなと考えるのでありました。

 

 

 続く。

 

 

 

 

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