合コン
百合猫の部屋に行くと百合猫は、
「…さっきは、ありがとう。もう大丈夫だから。」
と力なく笑った。
全然大丈夫そうじゃないけど?
ボクは百合猫のそばにしゃがんで、
「なぁ、…彼女持ちなんか諦めてボクと付き合う?ってか、絶対幸せにする。」
と、勢い余ってつい告白していた。
そしたら百合猫は、フッと笑って
「無理じゃん…絶対ないでしょ。てか、彼女持ちってどの口が…でも元気でたよ。ありがと」
と返してきた。
無理…
絶対ない…
って…
めっちゃボロボロにふられました。
ボクがボロボロになったかわりに、百合猫が少し笑顔になった。
ボクは、慰めに行くつもりがボロボロになって帰宅したのでありましたが…
兄貴と百合猫は、あの後も普通に勉強をしていた。
え?
どういうことなん⁇
兄貴すげーよ。
どうしたらそんなんなれるん⁉︎
もう…怒り通り越して尊敬するわ‼︎
でも、ボクは百合猫に思いっきりふられて百合猫を避ける日々となったのであります。
慰めたあとバーカって連絡きたのって…慰め下手くそか‼︎って意味だったのかな…。
そのあとも、うっかり告白してめっちゃふられてさ…
もう…せっかくイメチェンできても、やっぱり中身が一番ってやつなんかな…。
やっぱり勉強できて優しくてカッコいい兄貴がいいんだろうな。
百合猫と兄貴って…どうなったんだろう…。
二人の心配もあったけど…ボクも友達から相当心配された。
ボクは、百合猫が相当大好きだったようだ。
なんだかあの後、めっちゃ心がえぐられたというか窪んだみたいだ。
フラれていまさら気づくなんて…
…
そんな様子を見て友達が失恋には、新しい恋だよ!と、合コンを設定してくれた。
お断りしたのに友達は、なんだかんだでボクを連れ出し、なぜか合コンの席に座らされた。
そして…
そしてなぜか目の前に百合猫がいるんですが…。
百合猫…
兄貴とは、どうなったんよ⁇
ボクと目が合うと百合猫は、
「いや、なんで⁉︎人数合わせ⁇ダメでしょ」
と目を丸くした。
人数合わせって…
しかもダメでしょって…
おまえなんか、なんの価値もないってことですかね?
この場にくることすら許されないボク…。
そんなにボクは、百合猫に酷いことをしてしまったのでしょうか…。
兄貴に彼女いるって、勝手にカミングアウトしてしまったから?
それがよくなかった…ですかね?
やっぱりもう…帰ろっかな…。
「あの、やっぱり…」
帰ろうとすると一人の友達が
「どうしたー?まさか帰るとか言わないよね?あ、あの子友希人のタイプじゃん。」
と百合猫にグイグイ話しかけだした。
「ねぇ、こいつ落ち込んでるから慰めてあげてー」
と百合猫にいう始末…。
「え?なんで落ち込んでるの?落ち込みたいのは、こっちだっての〜」
と、軽くボクの肩をパシんとする百合猫。
…
やっぱり百合猫は、落ち込んでいるのか…。
まぁ、そりゃそうか。
好きな人に彼女がいたんだもんな。
兄貴と百合猫は、どうやって和解したのかな?
謎だけど、百合猫がここにいるってことは…やっぱり前に進もうとしているのかもしれないな。
「てかさ、ケンカした?」
…百合猫がなにを言ってるのかわからないけど…とりあえず
「あー、まぁ…」
と答えた。
ここに来るのに、友達と少し揉めたってことかな?と。
「あのさ、もう…大丈夫なの?」
ボクの質問に百合猫は、少し寂しそうに目の前のパフェをじっと見つめた後、
「うん!あんなやつ知らない‼︎」
と、バクバクとパフェを食べ出した。
「おぉ、いい食いっぷりだね〜。」
と、一緒に来ていた男友達もびっくりなくらい爆食いしていた百合猫。
そんな百合猫をみてボクは、思った。
百合猫をこんなにまで追い込んだ兄貴は、許せないと。
そして、そんな百合猫をボクが救ってあげたい。
心底そう思い、ボクは百合猫に振り向いてもらえるように全力で頑張ると決めた‼︎
合コンを開いてくれた友達にも感謝だ。
そしてそろそろお開きにしようってなり、百合猫と一緒に帰ろうと思ったんだけど…百合猫は友達とこの後、本屋に行くからと別々に帰ることになった。
そんな数時間後、百合猫が隣の部屋で兄貴と勉強を始めた。
…
お互い気まずくないのだろうか?
百合猫…塾とか通えばいいのに…
なんでそんなに兄貴なんだよー‼︎
と、隣の部屋にクッションを投げつけボクは、そのホコリでくしゃみをするのでありました。
続く。
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