どうなってる⁇

 ボクは、気づいてしまった…

 

 百合猫は、ボクじゃなくて兄貴に会いたいのだと。

 

 百合猫って言い間違いが半端ないんですよ。

 

 美人で天然とかほんと…反則‼︎

 

 百合猫の言葉の間違いは、半端ない。

 

 パープルをパールと真顔で当たり前のように言ったり、クロスワードをクロスワールドとか言ったりもするのだ。

 

 なんなら、この間なんて

「自転車のカゴにいれなよ?」

 って言いたかったみたいなんだけど、

「自転車のカゴ持った?」

 なんて言い出すんですもの…

 

 まったく、言い間違いには勘弁していただきたいものだ。

 

 だから、今回もボクと兄貴の名前を間違えたのだろう。

 

 それにしても…

 百合猫は、兄貴が大好きなんだなぁ…

 

 

 でもさ、兄貴この間…今の彼女と結婚するつもりだって言ってたんだよね…。

 

 

 どうする⁉︎

 

 百合猫が深入りする前に、その前にボクがやんわり教えようかな?

 

 まさか彼女いることすら知らなかったり⁇

 

 

 …

 

 

 うーん…

 

 下手に伝えると、なんかよからぬ方向にもいきかねない…よね。

 

 もう、ここはストレートにお伝えした方がいいかな。

 

 

「あのさ、百合猫」

「なぁに?」

 

 お菓子を頬張る無邪気な百合猫にボクは、残酷なお知らせをするのでありました。

 

 

「あの人…彼女いるよ」

 と。

 

 そしたら百合猫は、お菓子を頬張ったままいきなりボロボロと涙を流した。

 

 そして、

「え…やっぱりそうなる…んだ。」

 と。

 

 やっぱり知らなかったん⁉︎

 

 兄貴…言ってなかったんかい‼︎

 

 そもそも兄貴は、百合猫の気持ちに気づいてんのかな?

 

 だとしたら…許せん‼︎

 

 ボクは、兄貴に怒りをおぼえた。

 

 彼女がいるってわかってこんなにも泣くなんて…もう手遅れに近いんじゃね⁉︎

 

 

「百合猫…やっぱり知らなかったんだね。泣かないでよ。」

 

 泣きたいのは、こっちだよ。

 

 …

 

 ん?

 ボクは、なぜ泣きたいのか?

 

 そしてなぜ兄貴に怒りを⁇

 

 

 よくわからなかったけど、とにかく百合猫をなだめた。

 

 

「泣くなよ…。そんなに好きだった?」

 

 オレの言葉にうんうんと頷く百合猫。

 

 

 …

 

 

「とりあえずお茶…飲みな」

 

 口の中がお菓子でパンパンなのに、めっちゃ泣いたらもうカラッカラになって大変だ。

 

 ボクに促され百合猫は、くぴっとお茶を流し込んだ。

 

 

 そんな少しじゃたりなくね⁉︎

 

 まったく百合猫は、世話がやける。

 

 

「もっと飲まなきゃダメだよ」

 と、泣いている分の水分補給もさせた。

 

 

 そしたら百合猫は、もう一度お茶を飲んでから、

「なんで…最近忙しかったのってそういうこと?」

 と、泣きながらもボクをみた。

 

 

「まぁ…そうなんじゃない…かな?」

 

 あまり刺激するとあれかと思いあんまり詳しくは、言えない。

 

 まさか結婚まで考えているとかさ…。

 

 

「なんで…なんでそれなら、そんなに優しくするのよ⁉︎部屋になんか招き入れなきゃいいじゃない。あんなことやそんなことまでしたくせに‼︎」

 と、怒り出した。

 

 …

 

 あんなことやこんなこと…

 

 これはもう、二股していたってことか⁇

 

 兄貴のやつめ‼︎

 

 

 もうボクは、居ても立っても居られず兄貴の部屋へと突入した。

 

 …

 

 そしたらまさかの…不在。

 

「今度きちんと話し合ったほうがいいね」

 と百合猫に伝えると百合猫は、

「だって彼女できちゃったってことは、わたしに脈なしだったってことでしょ?今まで相談にのってくれてありがとうね…」

 と、力なくボクをみてさっきあげたお菓子を持って帰っていった。

 

 百合猫…

 

 

 しばらくすると百合猫から、

「バーカ」

 と、携帯に送られてきた。

 

 

 ⁉︎

 

 ボクは、関係ない…はずじゃ…。

 

 なんか兄貴の二股のせいでとばっちりを受けました。

 

 

 兄貴が帰ったら問い詰めなきゃです。

 

 

 しかし…兄貴は、問い詰める間も無く百合猫のところへ行きました。

 

 参考書忘れてるからと。

 

 

 こりゃ…修羅場…ですね?

 

 と思ったら、すぐさま帰宅。

 

 そしてなんか…普通でした。

 

 

 え?

 

 どうなったん⁉︎

 

 それどころか兄貴は、ボクに

「おめでとう。」

 と言い放った。

 

 

 はぁ?

 

「兄貴‼︎おめでとうってなんだよ⁉︎百合猫は⁉︎百合猫どうすんだよ⁉︎」

 と問い詰めるも

「それは…友希人が決めたんだから仕方ないんじゃない?」

 なんて言ってきた。

 

 意味がわからない…。

 

 ボクが何を決めたん⁉︎

 

 …

 

 兄貴と話してもわけがわからないと、ボクは百合猫の家へ行くことにした。

 

 

 続く。

 

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