美容室
初の美容室は、なんだか床屋とは別の国だった。
ボクは、異世界にでも迷い込んだのだろうか?
さっき入ってきた扉をじっと見入った。
…
普通のドアだった。
…
しばらくすると、こちらへどうぞと誘導されたので、もうされるがまま移動したら…まさかの、椅子がゆっくり倒れました。
なんですか⁉︎
ストレッチでも始まったんですか?
ってくらいの体制になりました…よ?
そうこうしているうちに、顔にタオルを被せられ、シャンプーが開始された。
シャワーからでるお湯がなんとも心地よいあたたかさで、しかも湯量も最高じゃないっすか‼︎
き、気持ちいぃ〜。
ボクの知らなかった世界、美容室‼︎
まさかこんな世界があろうとはな。
そしてシャンプーも無事終了して、頭にタオルを巻かれて、されたい放題だ。
でもなんか…なんか頭がさっぱりしたような気がする。
そして、目も軽くなった感ハンパない。
ボクは、今までなんてもったいないことをしていたのかと、しばし反省した。
これからは、美容室も悪くないかもしれない。
そして美容師さんに、どんな髪型にいたしますか?と聞かれて、お任せします。と、答えた。
そしたら…そしたらまさかのまさかのことが起こりました。
髪を切っている間、雑誌に没頭していたボクは…美容師さんの、
「いかがですか?」
の声でパッと顔を上げた。
…
え?
ボヤけていてよく見えなかった。
慌ててそばにあったメガネを装備した。
⁉︎
んんんっ⁉︎
え?
こ、これがボクですかーー⁉︎
慌てて鏡越しに美容師さんをみると、美容師さんはにっこりして、
「いかがですか?だいぶ印象が変わりましたね」
と万年の笑みだった。
えー…
一瞬兄貴かと思ったくらいボクじゃない。
なので調子に乗って、美容室の帰りに新しい洋服も購入した。
試着とかたくさん色々なお店でしていたもんだから、ボクは…
ボクは、新しい髪型を手に入れたかわりに、眼鏡を無くしました。
これで何回目かわからないくらい眼鏡をなくしているので、ボクは眼鏡からコンタクトにかえました。
…
そんなボクじゃないみたいなボクは、バイト先で、
「えっ?新人さんまた入ったんですか?」
なんてバイトのこが店長に聞いてしまうくらいの変わりようでした。
そこまでか⁉︎って思ったけど…
まぁ、自分でも思うくらい別人だと思う。
そういえば、なんだかんだでボクは風邪をひいた後、体重も減った。
夏風邪と夏バテのハーフになり辛かったけど、結果オーライと前向きに考えた。
そんな前向きのボクは、少しおしゃれに目覚めつつあった。
ボクは、バイトで毎日忙しく百合猫もバイトがあり、なかなか遭遇することがなかった。
兄貴は無事に帰国して、たくさんのお土産とお土産話を持って帰ってきました。
兄貴はボクをみてとても驚いていたけど、やっとおしゃれに目覚めてにいちゃんは嬉しいと、自分の着なくなった洋服を何着もくれた。
なんてラッキーな。
と、ここでいまさら思い出した‼︎
百合猫にお返しするためにバイトをはじめたのに、まだお返ししていなかったーー…
あー…何お返ししようかなー?と。
やっぱり百合猫の好きな猫グッズとかかな?
それと大好きなお菓子の詰め合わせも添えよっと。
次の日、早速プレゼントを用意して百合猫のところへ行こうかなぁと準備していると、なんとタイミングよく百合猫がうちに来た。
「おぉ、久しぶり。」
久人の百合猫だ。
百合猫は、
「あ、久しぶりって…あったばっかりじゃない」
なんて言って笑った。
そう…だったっけ⁇
ボクがボケてしまったのか?と軽くそこは流した。
そして風邪のとにき色々くれたお礼に、猫グッズとお菓子をプレゼントした。
「これ、遅くなっちゃったけどお礼ね」
と。
百合猫は、
「え、なんのお礼?」
と目をぱちくりさせた。
だから風邪のときのお礼と伝えると、
「なんで
と百合猫は、笑ったんだけど…ボクは、美紀人からなんて一言も言ってなかったけど…なんで百合猫は、兄貴からだと思ったのだろうか?
まぁ…百合猫に行き渡ったのだから誰からでもいいやと、ボクは思うのでありました。
そのお菓子を早速モグモグ食べ出す百合猫。
しかも食べながら、
「最近、友希人に会ってないなぁ。会いたいな」
とボクを見つめた。
⁉︎
百合猫は、一体なにをおっしゃっているのでしょうね?
まぁ、百合猫って言い間違いが半端ないからな…
続く。
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