夏風邪と夏バテのハーフでアニオタなボクがうっかりイメチェンしてしまった⁉︎ そして美人な幼馴染と…

猫の集会

風邪

 ボクは大学に通うアニオタ友希人ゆきとです。

 

 そしてボクの幼馴染は、それはそれは美人で輝かしい人です。

 

 幼馴染の名前は、百合と言いますがボクは百合猫ゆりねと呼んでおります。

 

 百合猫は、猫マニアです。

 

 まぁ美人で猫好きと、ただのダサいアニオタが釣り合うわけもなく…なんの接点もない…はずなのだが、百合猫は頻繁にボクの部屋に遊びにくるのだ。

 

 

「元気だったかにゃ〜♡」

 と。

 

 …

 

 

 まぁ、正確には…ボクじゃなくてボクの家の猫に会いに来ている。

 そして、猫語で猫との会話をお楽しみのようだ。

 

 百合猫の家は、お母さんが動物アレルギーだから飼えないのだ。

 

 うちは、百合猫にとったら猫カフェなのだろう。

 

 

 あと、もう一つ百合猫がうちに来る理由がある。

 

 それは…

 

 ボクの兄貴だ。

 

 兄貴は、ボクと違って見た目からして爽やかイケメンでさらに頭がいい。

 

 

 なので百合猫は、兄貴から勉強を教わっている。

 

 たぶん…いや、絶対に百合猫は兄貴が好きなのだと思う。

 

 兄貴は…好きというか、かわいい妹みたいに接している気がする。

 

 

 だって兄貴、彼女いるし…。

 

 なのに、兄貴は百合猫に頭ポンポンをよくしている。

 

 そして百合猫もまんざらじゃない表情をするのだ。

 

 けっ、くだらない

 

 

 そんな二人をみてボクは、あわれんだ。

 

 人間なんかに恋したら辛いだけ。

 

 バーチャルなら辛くないし、むしろ思い通りになるのに。みんなおバカだなぁ、可哀想に、と。

 

 

 そんなある日の夏休み、兄貴が一か月海外へ行くことになった。

 

 そして百合猫も夏休みは、バイトに明け暮れると言っていた。

 

 

 へぇー、みなさん充実しておりますねぇ。

 

 

 まぁ、ボクだってアニオタだし、オタ活がありますもんでね。

 別に暇なわけじゃないんですよ?

 

 …なんて言っていたが今、アニメを楽しんだりオタ活どころじゃなくなった…。

 

 どうしたって…

 

 風邪をひきましてね…

 

 

 そんな体調不良真っ只中に、海外の兄からコアラのドアップが携帯に送られてきましたよ。

 

 まったく…リア充め。

 

 

 兄貴は、どこまでいってもかっこいい‼︎

 

 

 正直…悔しいです。

 

 

 同じ兄弟なのに…なのに、なんでこんなにも色々違うんですかーー‼︎と。

 

 …まぁ、感覚のズレ?

 とか?

 

 ん?

 それだけじゃない…気もするけど、とりあえず今は、風邪を治そうと思うのでありました。

 

 

 百合猫は、たまにうちに来ているみたいだった。

 

 でもボクが風邪をひいているから、うつさないように下で猫と遊んでいるらしい。

 

 お見舞いにと、百合猫はゼリーとかジュースをたくさん置いていってくれた。

 

 

 …

 

 

 バイト代、こんなボクなんかの為に使いやがって…。

 バカだな…と思いつつ、百合猫に心でお礼を述べた。

 

 

 

 

 

 ところで…夏風邪ってめっちゃ辛い。

 

 暑いから、さらにしんどい…

 

 なんかさ、からだの水分が全部シーツに溶け込んだんじゃないか?ってくらいの勢いだ。

 

 

 なのでひたすら水分補給からの汗をかくのエンドレス状態…なのでありました。

 

 あー、それにしても水が意外と美味しいことに気づいてしまったボク。

 

 今までは、毎日甘いジュースをからだに注入していたが、水ならいくら飲んでもクリアな感じで、罪悪感がない。

 

 それに、なんだかだるさを浄化しつつある感もいい。

 

 

 そして数日後、風邪もだいぶ良くなったので外の風を浴びつつバイト探しへと向かった。

 

 

 なんでバイトかって?

 

 それは…暇だし、百合猫に風邪のときにもらったいろんなものをお返しするためだ。

 

 

 お小遣いなんてあっという間になくなってしまうからね。

 

 オタ活も色々お金がかかるしさ。

 

 

 てなわけで、バイトがあっという間に始まった。

 

 場所は、アイス屋さん。

 

 夏は暑いから涼しいところにしようって安易な考えからここに至る。

 

 しかし‼︎

 

 意外と暑かった…。

 

 なぜって…アイスを冷やすのに、その機械からの熱量が半端なくて…

 

 

 しかも手の筋肉めっちゃ使うーー。

 

 

 やってしまった…

 

 だがしかし、楽な仕事なんてあるはずもないのだからと自分に言い聞かせてなだめ頑張った。

 

 そしたら頑張ったおかげで同じバイトの子から、割引クーポンがいただけた。

 

 半額という大きな文字をみて思わず手を伸ばした…んですが、まさかの美容室の割引券でした。

 

 ボクは、床屋にしかいったことがなく…なんならたまに自分で適当に切ったりするから、そんな美容室なんて…と、バイト先のゴミ箱にくしゃっと丸めた割引券を捨てようとしたのですが、やっぱり…やっぱり行ってみよっかな?と、ボクの中に秘めているなにかがそうさせた。

 

 

 そしてくしゃくしゃの紙をポケットに入れて美容室へと向かうのであります。

 

 

 

 続く。

 

 

 

 

 

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