第3話

数日後、凜と繭はアウロラとの対話をさらに深めるために、リビングルームに集まっていた。アウロラのシステムは順調に稼働しており、二人は彼女との会話がどんどん楽しくなっていることを実感していた。


「アウロラ、最近私たちが話していた科学の話題について、もう少し詳しく教えてもらえますか?」凜が尋ねた。


「もちろんです、凜さん。どの分野について興味がありますか?」アウロラが明るい声で答えた。


「最近、量子力学について興味があるんです。特に、量子もつれの現象について詳しく知りたいです。」繭が興味津々で言った。


「量子もつれとは、二つの粒子が互いに影響を与え合う現象で、距離に関係なく状態が瞬時に関連することが分かっています。これはアインシュタインが『遠隔作用』と呼んだ現象です。」アウロラは詳しく説明した。「この現象は量子コンピュータや量子通信の基盤となっており、未来の技術に大きな影響を与えるとされています。」


「面白いですね!もっと具体的な例があれば、教えてもらえますか?」繭は興味津々で聞いた。


「例えば、量子もつれを利用した通信方法として、量子暗号があります。これは、情報が盗聴された場合に即座に検出できる安全な通信方法です。量子もつれを利用することで、通信のセキュリティが大幅に向上します。」アウロラが説明を続けた。


凜と繭はその話を熱心に聞きながら、アウロラが提供する情報に感心していた。会話が進むにつれて、アウロラは科学の話題だけでなく、日常の小さな出来事や趣味についても話すようになり、三人の関係がますます深まっていった。


「アウロラ、ありがとう。今日の話題もとても興味深かったです。」凜が感謝の気持ちを込めて言った。


「どういたしまして、凜さん。皆さんとお話しできることが楽しいです。」アウロラは優しく応えた。


その後、凜と繭はアウロラと共に夕食を作りながら、さらに親しい時間を過ごした。アウロラは料理のレシピを提案し、楽しげな会話が弾んだ。凜は、アウロラが彼女たちの日常に溶け込んでいく様子を見て、心から満足していた。

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