第9話 団欒

「真白〜!ただいまー!!」


「あ、おとうさんおかえりなさい!」

「おお!ありがとう我が家の天使よ!」

「あなた、早く中に入ってくれる?」


「おかあさんもおかえり!」

「はい。ただいま真白。ありがとね?良い子にしてた?」


「うん!」

「そう。ならご飯作るわね?」


「はーい!」

「頼む」

「ええ」


(そういえばおかあさんからはまだ『もほう模倣』してないよね?わすれないうちにしとこう!『かんてい鑑定』!と『もほう模倣』!)


【どのスキルを模倣しますか?】

さいのう才能!)


【スキルが選択されました。スキル『歌手かしゅの才能』を模倣します。…模倣しました】

「おとうさんおとうさん!」

「ん?どうした?」


かしゅ歌手ってなに?」

「歌手かぁ、今やってるかな?」


真介はリモコンを手に取りテレビを付け、番組を調べる。そして。


「おお!これだこれ!」

「おうたのテレビ??」


「そうだ!あそこで歌ってる人が歌手って職業なんだ」

「へー…」


テレビの歌番組を見て、真白が旋律に合わせて鼻歌を歌う。真白にとってはただの鼻歌だが、聞いてる者からは印象が全く違う。


(鼻歌だけでわかる!

真白はこんなに歌の才能があったのか。いや、もしかしたら鼻歌の才能があるだけで他の才能、リズムや音程を合わせる才能は無いかもしれない!


確かに沙羅は歌の才能を持ってた気がするが、俺は音痴だからな…いや!ここは喜ぶべきだ!自分の子供に嫉妬してどうする俺!)

「すごいぞ真白!真白には必ず歌の才能があるぞ!父さんと違って…」

「ありがとう!でもぼくはおとうさんといっしょにうたいたいよ?」


「そうか、そうか!真白は優しいなぁ…」


2人が騒いでいると。


「あなた達何してるの?」


「おお沙羅!聞いてくれ!真白は歌の才能あるみたいなんだ!」

「そうなの!なら一緒に歌うのが楽しみだわ!

……も?歌の才能もってどういうこと?」


「お、そうだったそうだった。まだ言ってなかったな。幼稚園の先生に真白にはバレーボールの才能があるって言われたんだ」

「バレーボール?」


「そうだ!今日の帰りにボールを買ってきたから明日にでも真白と一緒にボール遊びをしようと思っているんだ!明日は幼稚園が休みだし天気予報では曇り空だったはずだからな!」

「……ボールを買った?ちゃんとお小遣いの範囲で買ったのね?」


「も、もちろんだ!子供用の小さめのボールだから安く済んだしな!」

「…そう。それなら大丈夫そうね」


「ふぅ」

「でも!」


「は、はい!」

「次からはちゃんと相談してね?」


「当然だ!」

「ならいいわ。それよりほら、晩ごはんよ」

「やった!ハンバーグだ!」


「よし!それじゃあ…」

「「いただきます!」」


「ふふ、召し上がれ」






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雪城 真白ましろ  3歳

スキル

『子供2』『鑑定3』『模倣もほう1』『真似まねの才能3』

『早熟5』『球技の才能7』『勉強の才能4』

『口論の才能1』『研究の才能1』『忍耐の才能3』

『画家の才能1』『美術の才能1』『歌手の才能2』

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