43. 『テイルズ・オブ・クレストリア』6巻/『ドラゴンズクラウン』〈完結〉

 ファンタジー系ゲームのコミカライズ新旧をば。



◆『テイルズ・オブ・クレストリア 咎我人の罪歌』(6)バンダイナムコエンターテインメント/熊谷純 (シナリオ工房月光)/綾杉つばき


 表紙ヴィシャス(推し)来ました! 腹筋! 淫紋♂!


 前巻の続き。敵ながらキャスク様の造形がへきに刺さります。ダウナー系黒ギャル女神とは新しい。しかも滅法つおい。とんでもねぇ……あたしゃ神様だよぉ……。


 咎人VS神。あのヴィシャスですら欠損ありでズタボロに。沈みゆく意識の底からすくい上げてくれたのが、我らが主人公カナタなのがとってもエモい!

 実際、ヴィシャスをやられて一番取り乱してるのがカナタなのもいいですね。やはり不良♂×真面目くん♂は王道なんだ……!



 咎我鬼ヴィシャス覚醒。圧倒的な破壊の力はキャスクをも上回るほど。しかし、無差別な暴走は味方すら巻き込み、カナタまで手にかける寸前に。


 危機を救ったのは、魔導士アイビス。またしても格好良くて叡智なお姉様の登場に歓喜。ヴィシャス元通りでカナタも歓喜。心配されたヴィシャスも満更ではない反応でニヤニヤしてしまいます。

 カナタとキャスク、それぞれに違う意味での「世界を壊す」宣言をして、この場は仕切り直しです。



 カナタたちはキャスクを追って神託の祭壇へ。待ち構えていた盲目の少女ソニアは、父コーディの仇であるカナタとミゼラに憎悪をぶつけます。

 「真眼の魔導石」を持つエスヴァニラを中心に多数の思惑と感情が入り乱れる中、カナタは己の意志を貫けるのでしょうか……?(フラグ)



 巻末小説は「過去編だからいくら曇らせてもいいよね?」と言わんばかりに、相変わらず容赦がない……と思いきや、最後に本編へと繋がる希望を垣間見させるのが良い塩梅です。どうかヴィシャスに救いを。




◆『ドラゴンズクラウン』全2巻〈完結〉yuztan/アトラス


 2014年刊。ゲームのコミカライズ(PSVitaでプレイ済み)です。

 ヴァニラウェア謹製の美麗なアートで評価を得ている原作ですが、漫画はアクション重視で大迫力。王道ファンタジーの魅力も詰まっています。


 90年代ノリが微妙に懐かしいお色気要素や、本作の売りでもある筋肉描写もしっかり表現。エルフちゃんがソーサレスをお姉さまと慕う百合味もございます。男性キャラも長髪美形のウィザードが眼福です。


 探索が主なので、必ずしもバトル一辺倒ではないところに味わいがあります。男女6人にちゃんと見せ場があるのもいいですね。ティキ(妖精)やロニ(盗賊)を始め、サブキャラたちも活躍しています。


 結論としては、アマゾン姐さん(ゲームでの持ちキャラ)がとても格好よくて満足でした。

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