いつまでも 瞼に残るは君の笑顔 耳に残るは祭の喧騒

「お待たせー!」

「ダリア遅い~罰ゲームとして変顔やれ!」


「はいっ、ピスタチオ~」

「古ッ!しかも白目出来てないしw」


 ちょっとゆっくりし過ぎたかな。でも約束の午後6時にまだ2分くらいあるよ、みんな来るの早すぎ!

 何人くらい参加しているんだろう。女子は…いち、に…12人。下は小学1年生から上は高校2年の私と杏子あんずの2人。


 男子は……


 まじ!?


 海斗来てる!!!




「クレープ食べよ、クレープ!」

「あっちにかき氷あるよ!」


「射的しようぜー!」

「カタヌキやろーぜー!」


 ……うん、知ってた。

 こういう時って、男女でピシッ!って別れるんだよね……

 所謂「同じクラスの仲良しグループ」みたいな感じで、男女関係なくわちゃわちゃって遊べるのは、夢のまた夢だ。


 楽しそうだなー、男子組。

 いや、私達も楽しんではいるんだけど。

 

 まあ、取り敢えずは。

 海斗の顔を見られたらいいや。


「男子の方、声掛けてあげよか?」

「あ、杏子!?シッ、シィーーー!」


 確かにそれは、有難い提案なんだけど。

 それで海斗が喜ぶとは思わないから。

 私はただ、海斗が楽しそうに笑っているのを見ているだけで充分だから。


 だから


「さぁ、金魚すくい一本勝負やるよ!負けたら変顔な!!」

「おおーダリア、エンジンかかってきたじゃん!次はピスタチオ禁止な!」


 今は同じ場所で各々が楽しめてる現状を神に感謝して。そのうち仲良くなれる未来を天に願って。


 今日は只、彼の嬉しそうな顔を出来るだけ目に焼き付けておこう。


 ああ~


 本当、格好いい♡

 

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