自殺しそうになった同級生をとめて思ったこと 1

 つい最近、同級生の女子が自殺しようとしていた。自殺する前に、私や同級生で止めて、なんとか説得に成功した。(今もその女子は元気です。)だがその時、私はその女子に、「私って生きている価値はあるの?」と聞かれた。

 泣きながらそう問われたので私は咄嗟に「もちろん、君が死んでしまったら、少なくとも、俺は悲しい。」と、言ってしまった。

 実を言うのならば私には、価値があるかどうかなどわからなかった。そもそも、価値というものは、相手の主観からなる感覚だ。つまり、相手によってその価値は変わっていく。たまたま今回、同級生であったがため、私にとっての価値はあったが、他の人間になるとどうだろうか。

 読者の方々も想像してほしい。朝のニュースで「〜国で大災害が発生し、犠牲者は〜万人に及んでいます。」というニュースが流れたとしよう。このようなニュースを聞いて、犠牲者を悼んだことはあるか? 私はせいぜい、今日という一日が少し暗い気分で始まるくらいで、手を合わせて犠牲者を弔おうとはしない。

 このような感覚を持つ人間だっているのに、安易に「どんな命にも価値はある」なんてことは言えない。

 そこで私は、「物事の価値に関しては自分の主観だけで決めよう」と考えた。そうすれば迷いは生まれず、まっすぐに生きていけると思った。

 この日より私は、どんなことよりも「親しい人」を優先することに決めた。


※この話は、自殺しようとしていた女子に許可を取って書いています。

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常日頃に思うこと 天冥 蒼 @1088446

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