02 お泊まりはなんのためよ…

私は、昨日誘ってきた悠の家の前にいる、が…暑い!この猛暑日に待たせるとはなにゆえ!と恨みを若干抱いてしまうが、スマホをいじってればいい話だからそんなに気にしてはいなかった。

「ごめんごめん、もういいよ〜あがってあがって!」

「お邪魔しまーす!」

まさか誘ったくせに何も準備してないなんて、忘れてたのか?

「で、ちょっとしてほしいことがあるんだけど」

「は?」

「その…課題手伝ってください!」

「はあ!?」

まったく、ほんとにこいつはいつまでも人を振り回すのが得意なんだな。でもそれだからなのか、なぜか離れたくない。心配もあれば楽しさもある、この人はそんな絶妙な性格の持ち主だ。私が教えてやってるときも自分から頼んできたのに、開始早々諦めだしたり逃げだしたり、ちょっと自分勝手がすぎないか?と疲れてしまうが。やっぱりほっとけなくて、お母さんかのようにあーだこーだ言ってるから実は嫌われてないか?うざがられてないか?なんてことがたまにでてきてしまう。別に私は、彼女だから尽くすのは当然だと思っている。なんだけど、ほんとに彼女は私をちゃんと“恋人”として意識しているのか気になるのが本音。利用しやすいからだったらまじ許さねえ…と教えながらも余計なことがどんどん湧き出る。

「ねえ」

「ん?」

「あ、あのさ…」

「うんなに?」

「ちょっと、疲れたからやめにしない?あんたさっきから独り歩きしすぎなのよ、わかる?」

「え…そうだっけ?」

これは心外。まさか無自覚とは、鈍感にも程がある。一瞬冷めてしまうのかと思ったが、まあこんなやりとりも慣れてしまいなんとも思わなかった。

「はあ〜やっぱり疲れるわあ、もう寝ていい?」

「いや待って待って待って夜は!?夜は!?」

「え?もう夜だけど、」

もう19時、普段なら家事を始めてる時間帯だからかその癖で無意識に寝る準備しをしようとしていた。

「ふぇ〜ケチー、普通はさあ付き合ってんならさあ(以下略」

流石に私でもそんなことを言われると察してしまう。しかし、私達は同性愛。どうやって??としか思えなく、あまり相手にはしなかった。異性じゃないんだし、人として生物として、そんな欲求は消せないからわかるけど無理なことくらいわかってほしいもんだ。

「はあ、なんで同性なのにそんなこと求めてんのよ…というか、わりとそうゆう欲求あったほうなのね」

「はへ?できるもんじゃないの??」

馬鹿か。いやほんとに馬鹿か?なぜ、なぜこんなやつと私付き合ってんのぉ!?そんな驚きもあったが、それよりどこまで無知なんだこいつ。逆に興味を持ってしまう。流石に高校生となれば、男女問わずそこら辺の知識は自然ともらうはずだ。まずそうゆう授業保健であるし!あ、でもこんなやつだし寝てそうだな。ただたんに聞いてなかった説。

「…まじで疲れたから寝る、おやすみ」

「へ?え?ちょ、まっどういうこと!?あってかまって明日行くとこ覚えてる!?そもそもそのこと忘れてないよねー!?」

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