ピンチのピンチの連続 そんなとき
なんだなんだと首を巡らすと、今どき珍しい漆黒の長い髪を振り乱した女子大生が立ち上がり、迫真の表情で向かいに座る相手を見下ろしている。
「かわいい女の子を怒らせると怖いな……」
「痴話喧嘩か?
相手の男は……」
揃って彼女の前に座る相手に視線を移す一同
。
「そんなこと言わせて、ごめんな……」
低く耳に心地よい声音でそう言いながら黒い髪の先を撫でるのは……眩いほどの白い髪を持った、
「……あっちも女の子!?」
「セリフは男みたいだけど……」
固唾を呑んで見守る彼らをよそに、パシャパシャとスマホのシャッター音が響く。
「カット!
いや~捗ります~これで真っ白なページが埋まりまくるぅ」
ベレー帽の女子大生がタブレットにペンを走らせながら、鼻息荒くまくし立てる。
「毎回モデルするのは構わないけど。
なんか、わたしと小雪にやらせたいからネタ考えてないかしら?」
すると、激昂していた黒髪の少女がすとんと席に戻って静かにする。
「そそそんなことなないよ」
「目ぇ泳いでるで~まあウチはのぞみちゃんと刺激的なイチャイチャ出来るからええけど」
「小雪!アンタねえ!」
かしましい彼女たちを見て、製作委員会たちの心は一つになった。
「「「スターの原石……スカウトするっきゃねえ!」」」
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