目指せ夢の部室

部室が欲しいねん

「ウチらにはっ! 部室が足りへん!!」

「……は?」


 大学の近所のカフェ。わたしは、目の前で突然拳を握り力強くのたまう同期にして悪友で二人きりのサークルのメンバーである小雪に冷たい視線を浴びせた。


「活動の拠点はぜったい必要やでのぞみちゃん! 悩める相談者ちゃんたちが駆け込める場所、ウチらがどーんと構えてトラブルを受け止める場所、そしてウチとのぞみちゃんがイチャイチャらぶらぶ出来る場所が!」

「最後の一つはいらないでしょ!ってかイチャ……そんなことしてたら部室追い出されるわよ! こないだ叱られたの忘れたわけ!?」


 ヘルプに行った茶道部での出来事。足が痺れてこけたところをふざけて覆いかぶさってきた小雪のムダに妖艶な表情が脳裏に蘇り、顔に血が上るのが分かった。

 茶道部部長のお叱りを小雪に思い出させてブレーキを踏ませるつもりだったが、彼女は全くこりていなかった。


「ああ~そんなこともあったなぁ、あのときののぞみちゃん最高にそそるわ~」

「それは忘れなさい!」

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