溺れない約束
溺れる夢
胸の奥から勝手に抜け出そうとする息。内側から叩かれているように耳に激しい音が響く。沁みる瞼を持ち上げると、光る水面は恐ろしいほど遠い。
水を吸った服が重く、もがく短い手足が痺れていく。
体が、沈んでいく。おぼれる。
必死にこらえていたのに、口から最後の空気を吐き出してしまう。そのあぶくがきらきら光りながら上っていき、自分は下へ、下へ。
もう、ダメだ。
そう思ったとき、感覚の失せた手が掴まれ、体が持ち上げられる。かすんだ目に、大きな大人の体が広がる。力強い腕。
あれほど遠かった水面が、近づいてきて、光があふれる。
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