まっかっかなわたし


 今日の活動を終えて寮の部屋に戻ると、わたしはベッドに大の字になった。もみじが絡む依頼はやたらと疲れる。恋愛漫画によくあるポーズやらシチュエーションやらを小雪とわたしたちで再現したがるので、毎度ムダに小雪と密着することになり、たいへん気疲れさせられるのだ。小雪は小雪で始終余裕なのがまた、にくたらしい。

 枕に顔を押し付け、足をバタバタさせてしまう。


「今日は冷静でいようと思ったのに……」


 いつもいつも、小雪に振り回されてしまう。あの黒い目と白い髪に、どうしてこんなにもかき乱されてしまうのか。

 そして……心のどこかで、それが本当はイヤじゃない自分がいるのもしってる。


「モノクロカラーのくせに……」


 こんなにもわたしを自分で染めるなんて。

 寝る前にメイクを落とさないといけないのに、鏡を見るのがイヤだった。

 まだわたしの顔は真っ赤だろうから。

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