第5話 金獅子の出立
カミロやクストディオとともに、レオシュとメトジェイもバルドゥィノの語りを聞いていた。
二人は
一人一部屋あって、庭に
「皆いるか」
ドアを開けてレオシュが声を上げれば、居間のソファにごろりと寝そべっていた青年が身を起こした。しなやかな鳥の足を持つ
「俺だけだよ。サビナは実家、シャールカは
「そうか、オレクがいれば最低限はなんとかなるか」
「バルドゥィノが面白い話でも持ってきたのか」
テーブルの上に散乱しているのは、オレクの夕飯だろう。それらをレオシュは手早く一か所にまとめ、地図を広げた。オレクは側までやってきて、地図をのぞき込む。
「ファハルドに、一年と少し前、
「そんな噂聞いたことないぜ」
「自分もないよぅ」
のんびりと、メトジェイも追従する。レオシュは、二人に頷いた。
「つまり新参者の
レオシュは強い。
それに何食わぬ顔でついて来ているオレクも同様に強い。
「しかしちぃと場所が悪くないか?」
「普通にいけばどうしても十日はかかるな」
「ハルフテルから、ショートカットすればいいよぉ」
「ま、そうなるわな」
「どうする? すぐ出るか?」
「いや、今夜は各自準備をして、明朝出立としよう。サビナとシャールカは、それまでに帰参すれば報告、しなければ手紙を残しておこう」
三者は頷きあい、こうして支度は整った。
実家に帰っていたサビナは参加せず。翌日昼に戻ってきて手紙を読んだ後は、
翌朝三人の出立前に顔を出したシャールカは同行を拒否。そんな強行軍に付き合うのはごめんであった。代わりに
これは、衛士隊の誤算であった。彼らの到着を、もうちょっと遅くなるものと試算していたためである。だってまさか
朝。レオシュの黄金色の鬣を、朝日でさらに煌めかせながら、三人はそれぞれの
腹ごしらえをして、
三人を遠めに見かけた
同じように彼らを見かけた六本足の魔獣もそのまま両腕の上に顎を戻した。あれは食事ではない。食事にはならない。下手をしなくてもこちらが食事になってしまう。いや、あいつらが自分を食べるかどうかはわからないが、そういう類のものだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます