第2話 マゾがすなる音声作品なるもの(♡♡)
男子トイレで頭や制服を拭う。
アリサが払ってくれたので、粉砂糖がかかったように白くなっていた髪の方はハンカチで拭えばなんとか取れたが、制服の方は粉が繊維に絡みついて水を弾いて微かに残っている。シャツの中まで入り込み、痒みが出てきている。
アリサが着替えを用意していると言っていたが、この程度ならこのままでもいいだろう。
白瀬が俺の後ろでスマホをいじっていた。
「アリサちゃんの前では言えなかったけどさ、やっと音声サイトの共同アカウントができたぜ」
「本当か!」
スマホの画面を覗くと、音声作品を販売しているサイトのマイページの画面が写っていた。ライブラリには白瀬が買ったのであろうお姉さんに甘々に耳かきをしてもらう音声作品があった。
「大変だったぜ。親や婆やの目をかいくぐって作るのは。」
「白瀬、お前は最高の友人だよ」
「いつも教室でいいプレイ見させてもらってる礼だよ。それにお前んちのが厳しいもんな」
俺にプライベートの時間はほとんどない。白瀬のように習い事や塾で多忙というわけではない。
うちは夕食が終わると家族の時間がある。
親父とマリアさんとアリサでドラマを見る。その時、マリアさんは俺をyo⚪︎iboよろしく抱き枕のように抱きしめてテレビを見る。
マリアさんの暖かくて柔らかいものに触れるのを俺は明鏡止水の心で小一時間耐えたあと、決まってアリサが
「お兄様、一緒に寝てもよろしいでしょうか?」と上目遣いで聞いてくる。
勿論、可愛い妹のお願いを断るわけにもいかずアリサと同じベッドで寝るのが日課となりつつある....
そんな訳で俺には一人の時間は家では殆どなく、思春期の男子であれば誰もが通る欲望の解放もままならない。
白瀬がアカウントのログインIDとパスワードを書いた紙を渡す。俺はそれを小さく畳み、胸ポケットにしまう。
「分かってると思うけど、全年齢だけな」
「分かってるよ。親バレした時が地獄だからな」
あくまでマゾ向けの音声が聞きたいだけで、発散が目的ではない。白瀬も安眠用に聞くというので利害が一致している。
「お金は学校の時に払えばいいよな」
トイレを出て、振り返ると白瀬は何か驚いた顔をしていた。
「どうした?」
「いや、なんでもないよ。ああ、いつでもいいよ」
「ありがとな。カードだと足がつくからなぁ」
俺たちは教室へと戻って行った。
その後ろで足音がなる。
「....」
************
放課後になり、一人教室で自在ホウキを手に掃除をする。本来は日直の仕事だが、岩田様に命じられて以降は女子の当番の日は俺がすることになっている。
元々帰宅部であるし、アリサが委員会や生徒会の仕事で放課後残ることがあり待ち時間は手持ち無沙汰だったので仕事がある方がまだいい。それに教室が綺麗になるのは気持ちがいいことだ。自前の洗剤をロッカーに入れているほどだ。アリサは会計に計上するので領収書を出して下さい、というが趣味の一環のようなものなのでこれだけは断っている。
教壇の辺りには先ほどのチョークの粉が床を汚していた。足跡が残るほどに白くなっている。自在ホウキで粉を端へと集めていく。
扉が開く音がした。振り返ると、生徒会の子のようだった。
「先輩お疲れ様です。アリサから今日は友達のお宅に遊びに行くので先に帰ってくださいと伝えるよう言われました」
「わざわざありがとう」
「先輩、手伝います」
「ありがとう。じゃあ、ちりとり持ってくれる?」
そうか、今日はアリサの帰りが遅い....つまり今日の夜は一人の時間があるということ...!
俺は胸ポケットにしまった紙片があることを手触りで確認する。
よし!この機会を逃すわけにはいかない!
マゾがすなるという音声作品なるものを今日こそは体験するぞ!
************
岩田夜詩乃は燧グループの傘下であるヒウチビールの社長令嬢である。岩田家は元々普通のサラリーマンの家庭であり、父が役員として成り上がった、財閥系ではよくある"株主により選ばれた"社長である。
そして、その株主の影響力は金融自由化による会社本位主義からファンド資本主義への変遷により、強大となった。
岩田夜詩乃は妹の部屋で燧アリサの前で一糸纏わぬ姿で土下座をしていた。
アリサは勉強机の椅子から立ち、夜詩乃の前に屈み込む。
「アリサがなんで怒ってるか分かりますか?」
「命令を守れなかったからです...」
「アリサ、難しい命令しましたか?ただ、お兄様の制服を着替えさせて下さい、って言ったのですけどなんでそのくらいのことが出来ないんですか?」
「申し訳...ございません」
アリサは意地悪そうに嗤う
「
穹月とは夜詩乃の妹で、アリサの友人であり....もう一つ特別な関係がある。
「それで、どうしてできなかったのですか?」
「申し訳ございません..」と夜詩乃は繰り返す。言い訳をすれば、罰があるからだ。
アリサは夜詩乃の顎を掴んで無理やり顔を向けさせる。
「私はどうして、って聞いているんです。それなのに申し訳ございませんって人間の言葉も分からないんですか?この低脳マゾ」
アリサはゴミを見るように蔑んだ目で一つ年上の先輩に対し罵倒を浴びせた。
夜詩乃は感電したようにビクビクと震える。アリサはそれを見て嘲笑う
「どうしたんですか?ビクンビクン震えて、もしかしてマゾって言われて興奮してるんですか?こんな姿、穹月が見られたらお姉さん失格。妹にも笑われる正真正銘のマゾになりますね。この役立たずのマゾメス。ほら、答えて下さい。あなたはアリサの何なのですか?」
夜詩乃は荒くなった息をなんとか整え、宣言する。
「私...はぁ....ご主人様のぉ.....奴隷ですぅ.....」
「マゾ奴隷、ですよね?ほらやり直し」
「はいぃ....っ!私はぁ!ご主人様のマゾメス奴隷ですぅ....!」
「はい。よく言えました♩ご褒美にマゾ奴隷の頭を踏み踏みしてあげます♩」
アリサは夜詩乃の頭を黒の靴下越しから踏み躙るようにゆっくりとあまり体重をのせずにグリグリといたぶる。その間も夜詩乃は「ありがとうございますありがとうございます..」と感謝の言葉を言い続ける。
そんな異常なことが行われてる部屋の扉がふと開く、
「ただいまーってお姉ちゃんまたアリサにお仕置きされてるんだ。裸で土下座なんて変態のすることだよ。自覚した方がいいよ」
「ほら、穹月に見られて嬉しいですね。もっと踏んであげます」
「もぉお姉ちゃん、ご主人様にいじめられて下、こんなに濡らしちゃってるじゃん笑 でも、床汚したら私からもお仕置きだかんねぇ」
岩田穹月はアリサと姉の夜詩乃を共同で奴隷として飼っている。また、アリサに調教されて従順なメスとしてアリサに尽くしている。
「アリサ...いえ、ご主人様ぁ、そこのマゾ奴隷が失敗したので制服の代わりじゃないですが」
穹月はアリサにジッパーバックに入ったクシャクシャした布のようなものを渡す
「先輩の掃除をお手伝いさせていただいた時に『チョークの粉まだついてますよ』って先輩の耳裏とか首筋のところを拭ったシートです。勿論、無香タイプなので先輩の汗の匂いとかが染み込んでますよ...❤︎」
アリサはジッパーを少し開け、匂いを嗅ぐ
「お兄様の汗の匂い....❤︎流石穹月です♩あとでたっぷりご褒美をしてあげますね」
「ご主人様、私はいいのでお姉ちゃんにオナニーさせてあげてください。お姉ちゃん、ご主人様の命令どおりずうっと我慢していて限界きてると思うんです。だから私からもお願いしますご主人様...」
「もう穹月ってばはしたないですよ。淑女がそんな下品な言葉を使っては。ですが、穹月はいい仕事をしてくれました。セルフプレジャーくらいなら許してあげます。でも、その前に、」
アリサはまた夜詩乃の前に屈む
「あなたはお兄様に触れる...いえ、近づくことすら烏滸がましい醜い存在なんです。私の管理下でお兄様がマゾ性癖を発散させる為に奴隷にその役目を担わせてるだけです。奴隷はご主人様の命令には絶対...
次失敗したらこの程度では済みませんからね?分かりましたか?マゾお姉さん❤︎」
「分かり....ましたぁ...」
「どうやらお兄様がいかがわしいサイトにお金を使おうとしてるみたいです。なので絶対に使わせないように。でも、全部毟ってはいけませんよ?出来ますか?ふふっこんな簡単なことできますよね?」
「やりますぅ...やりますからぁ....」
「あーあ、お姉ちゃん情けないお声出して。ご主人様、この奴隷もう我慢できないみたいです。早く命令してあげてください」
「あらあら。本当にサカリのついたメスマゾですね..ほら、アリサにそのなっさけないセルフプレジャー見せてください。穹月はお姉さんの情けない姿をスマホで撮りなさい」
「はーい、ご主人様❤︎ほら、お姉ちゃんこっち向いてぇ。撮りますよー」
「はい....今からぁご主人様の命令で3週間ぶりにぃ....オナニぃ...させていただきますぅ....」
夜詩乃は久しぶりの自慰行為で我を忘れて獣のようによがり狂っていた。
「本当にご主人様ってば酷いですよね。お姉ちゃんを媚薬漬けにしてご主人様のお仕置き無しでは生きていけないマゾ奴隷にしちゃうなんて」
「岩田夜詩乃、中等部時代の素行-喫煙、飲酒、バレー部員への体罰、いじめ、不純異性交遊...これだけでも同じ燧グループの令嬢として恥なのに、お兄様に恫喝による金銭の搾取などするからですよ...お兄様に行った愚行を比べれば全然生ぬるい処遇です」
「怖ぁい笑 でも、どうしてご主人様は先輩に直接しないのですか?先輩なら喜ぶと思いますよ?」
アリサは低い声音で「知りたい?」と穹月に聞く。
穹月は顔を真っ青にして、
「ご主人様のそばに置かせていただいている分際で踏み入ったことを聞いて申し訳ありません!」
とスマホを起き三つ指を立てる。
「別に怒ってなんていませんよ。頭を上げて奴隷の撮影を続けてください」
「は、はい!ご主人様」
アリサは誰にも聞こえないような声でボソッと呟いた
「お兄様のマゾ性癖を救ってあげられるのはこのアリサだけなんですから...」
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