第5話
「みずき‼︎大丈夫⁉︎生きてる⁉︎生きてた‼︎」
「よかったぁぁぁぁぁぁ‼︎みずきが死んだら俺生きていけないっ‼︎」
「めっちゃ心配したよ⁉︎こんな日に屋上で半袖でじっとしてるとかばかなのっ⁉︎死ぬよっ⁉︎死ぬよっ死んじゃったらどうするの⁉︎」
3人の兄貴が一気にまくしたてる。すごい形相で、やっぱりシスコンだけど、心配してくれるのは、正直すごく嬉しかった。2ヶ月前に、再婚で兄になっただけの、血も繋がっていない兄が心配してくれているということがただ単純に、すごく嬉しかった。それに、兄たちは今世紀何をしても決まる今ダントツトップの人気を誇るアイドルグループのメンバーで忙しいだろうに、9人のうち、3人も兄が駆けつけて来てくれたということがすごく嬉しい。
3人の兄たちは近づいてきて、私を抱きしめようとしているらしく、腕を大きく広げたが、そこで止まって、私の後ろを睨んでいる。どうしたのだろう、と思っていると、この中では最年長である我が青水家次男の光にぃが口を開いた。
「あのですね、そこにいる我らの、愛しい大切な、可愛いお姫様であるみずきを堂々と抱きしめている方、ちょっと邪魔なんでどいてください」
するとそれに続いて、青水家六男の亮介にぃが口を開く。
「お前な、みずきの彼氏でもないくせに俺らの大事なお姫様を抱きしめてんじゃねえよ。彼氏になりたいんだったらまずは俺らんとこに挨拶に来い」
と、ドスの効いた低い声で言った。亮介にぃは秀才で、普段は勉強とか教えてくれるし、優しいし、にこにこしてて、ちょっと可愛かったりもするけど、怒ったらすっごく怖くて、ブラックになるんだよね。
、、、ん?てか、今抱きしめてるって言ってた?え、誰を抱きしめてるの?
みずきを抱きしめるな!
って言ってたってことは、私が抱きしめられてるんだよね?え、誰に?
横を向くと、私が大っ嫌いな晴季のイケメンフェイスがドアップ。
あああああああああああ‼︎そういえば晴季に抱きしめられたままだった!
大っ嫌いな人になんで抱きしめられてるんだよっ‼︎なんか言えや、この女ったらしめ‼︎しれっと抱きしめてんじゃねーよ!
「ちょ、晴季離れてっ!きもいっお前のハグなんていらない‼︎勝手に触んなぁ‼︎‼︎」
私は思いっきり叫び、晴季を剥がそうと、晴季の体を押す。しかし、晴季は剥がれるどころか、ますます強く抱きしめてくる。
「あああああああああ!きもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいっ‼︎‼︎‼︎‼︎
私はお前が大っ嫌いなの‼︎ひっつき虫みたいにひっついてくんな、愛しの海莉にでもハグして来いっ‼︎離れろ、この変態っっっ‼︎‼︎」
私はさっきよりでかい声で思いっきり叫んだ。
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