第五話 画して紐は解け……なかった(笑)

 美玖みくさんが(先ほど【セフレ】な関係になったので『名前呼び』するよう言われた)僕の顔を跨いでるんですがっ!?

 片方解けた(いや、僕が解いた)小さい布切れが捲れて……い、色々見えてるんですがぁ!?

 し、しかも、僕の口の上に美玖さんの……だ、大事なトコが、載っかってるんですがぁ!?


 そして、僕が何か言うたび美玖さんが悶えるんでしゅがぁ!?


「ひゃああっ!?……そ、しょこで喋らないでぇええっ!?……ば、バイブレーションが……く、くりゅのぉ♡……だから……しゃ、喋るの、禁止ぃ!?」


 叫ぶように言った美玖さんが、僕の顔をお股に挟んだまま、きゅうっ、と絞めつけた。

「おうふっ!?」


「いひぃ!?……も、もしかしたら、わざとやってるぅ?」


 僕の顔を跨いだまま、びく、びくっ、と腰を震わせて美玖さんが怒っている。

 いや、不可抗力です、と弁明したいけど僕は『喋るの禁止』されていて、泣く泣く黙ったんだけどぅ。


 そこで、僕は有りっ丈の勇気を振り絞って美玖さんの腰辺りを掴んで、よいしょ、っと持ちあげて隣に降ろしたのだった。


 ――ちっ!?


 はいぃ!?……何故か舌打ち戴きました?

 しかも、おしゃぶり先っぽを、かぷっ、と甘噛されたんでしゅがぁ!?

 痛気持ち良いんでしゅがぁ♡


「ねえ、まだ解けそうにないのう?」

「も、もう少々、お待ち戴きたく(はうぅ!?)」


「もしかしたら、焦らし作戦なのぅ?(童貞のクセにぃ!?)」


 心の声も駄々漏れで戴きましたんですがあっ!?……はうぅ!?


 僕としましては、ベッドに仰向けに寝ている美玖さんの片方の紐が解けて小さな布切れから食みでている髪の毛と同じ色のに気もそぞろでありまして、もう片方を解く指先に集中できないのでございましたんでしゅがぁ……は、はうぅ!?


「あご、疲れちゃった……」


 そう言って美玖さんがおしゃぶりを止めて僕のに頬擦りして先っぽを弄ってるんですがぁ!?


 痛気持ち良いんでしゅがぁ♡


 『わたしって、【癒しの天使】なんだって♡』


 少し前に美玖さんが言った意味が一寸だけ判った気がしたんですが。


「ねえ、まだなのぅ?」

「えっと、こっちの方が固くてですね……」

「両方解けたらあ、舐めても良いから~早くぅ♡」

「が、がんばりましゅうっ!」


「……って、それ聞いて硬くなるって、えっち、ね♡(ってか、童貞くんの妄想力、半端ないわね(笑))」


 き、聞こえてるんですがっ!?


 いや、マジで解けそうもありませんんんっ!?

 何だか布切れが湿きてるんですが……そのでか、結び目がより固くなっているように思いますですが、流石にを指摘する勇気はございましぇんんんっ!?


「飽きたにょ!」


 突然、美玖さ……女神さまがそう仰ってを放置して想定外の行動に移られたんでしゅがっ⁉

 女神さまのお手がに忍び込み、何やら蠢いておりまして……ですね、僕の担当する『紐』にも微妙に振動が伝わってきてですね、非常に、何と言いますか、でしゅね……

 振動だけでなくですね、視覚・聴覚・臭覚、とかにですね……イロイロ困難な状況が生じてきてですね、僕としては『紐を解く』行為に集中したいのでございますのですが……は、はううぅ⁉


 しかも、【放置プレイ】されたままのトコロもですね、既にになっておりまして、ですね……このままでは、イロイロ宜しくない結果を生じてしまいそうでして、でしゅねっ⁉……は、はうううぅ⁉


 トコロが、女神さまの行動は、僕の想像の斜め上を行っておりまして、ですねっ!?


「諦めたにょっ!?」


 突然の【宣言】でした。

 更に、ベッドの上でした女神さまは、ぐしょ濡れの小さな布切れをその場にかなぐり捨てて、僕を跨いで仰いました。


「ゴメンね♡」


 そして、あっ、ちょ、待っ!?………………はうううぅうううんっ!?


 僕の青春(あおはる)が終わった瞬間でございましたっ!?



         【この項 おわり】

            【つづく】

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