親友の彼女と（彼女の親友と）しちゃった顛末

第六話 虚しい会話(笑)

　某大学のキャンパスで、いかにもモテなさそうな男と、明らかにモテなさそうな男が話をしていた。

「あのコンビニに、すっげ～、美人の店員が入ったの知ってるか？」

「お前、情報遅（おせ）えよ！……美玖（みく）さま、な♡」

「な、なんで、お前が名前まで知ってるんだよっ!?」

「ふふん、俺と美玖さまは同高（おなこう）だからだっ！」

「ウソっ!?……じゃあスリーサイズ、教えてっ!?」

「いや、同高だからって、知ってるかよっ!?」

「えっ？……知らねーの？」

　『明らかにモテなさそうな男』が『いかにもモテなさそうな男』を批判したが、それは〝目糞鼻糞を笑う〟と言うんだよ(笑)。

「まあ、良い……御神（おんかみ）さまは俺の女神さまだぜぇ♡」

「いや、おんかみ、って何だよ(笑)……『おんかみ』と書いて御神（みかみ）と読むんだよ(笑)」

「………………（糞ったれ、同高（おなこう）自慢しやがってっ⁉）……そんなん、知ってたさ……『めがみさま』つったんだよっ!?」

　その時『いかにもモテなさそうな男』が上擦った声をあげた。

「おい、見ろよ美玖（みく）さまだっ!?……マジ、可愛いよなあ♡」

「えっ？……何であんな冴えない男と腕組んでるんだよっ⁉……ゆ、許せねえっ!?」

　確かに、『明らかにモテなさそうな男』の指摘の通り、美玖が腕を組んで歩いている相手は〝明らかに いかにもモテなさそうな男〟だった。

「そういやあ、そうだな……いつものイケメンじゃないなあ……まあ、あのイケメンは浮気の常習犯らしいし、振られたんでないか？」

「それなら、俺にもワンちゃんあるよな？」

「ねえよっ!?」

　『明らかにモテなさそうな男』の言葉を『いかにもモテなさそうな男』が一言で否定する。

「な、何でだよっ⁉」

「考えてもみろよ……あの美玖さまだぜぇ？」

「だから、浮気性のイケメンを振ってあのブサメンに乗り換えたんだろ？……あれなら俺にもチャンスが…」

「ねえよっ!?」

「……………………」

「あの美玖さまが腕組んでオッパイ押しつけてるってコトは……答えは一つしかねえよっ⁉」

「……な、何だよ？」

「《 アレ 》がデカいんだよっ⁉」

「ねえ、たぶたくん……なんで、前屈みなのぅ？」

「た、田渕（たぶち）です……いや、何と言うか……何となく、と言うか？」

「あっ？……もしかしてぇ……おっき、しちゃった♡」

　天然、と言うか……いや、はや(笑)。

　　　　　　　　　【この項 おわり】

　　　　　　　　　【つづく……かも？】