第三話 続・コンビニの女神さま

「こ、こんなビッチな女じゃ……い、嫌です、よね?」


 ちょ、待て~~~~~っ⁉……しょれは、僕に……な、ナニを、、という意味でふか~~~っ⁉

 僕は多分前のめりになって【女神さま】に迫っていた。


「や、やや、やっぱりぃ……き、聞かなかったこちょにぃ…」


 【女神さま】が後退あとじさって逃げ腰になった瞬間、僕は抱きついていた。

「お、おおお、おお、おにゃがひ、ひまひゅうううっ⁉」

「わ、わかりました……も、もう、逃げないから……だ、だから乱暴しないでっ!」

 流石、三人も経験していると、よゆーじゃん(笑)。


「うん、くん……ちゅー、とパンツまでは許します♡」


 あ、そゆう意味れすか?

 だよね~~~っ?……でも、それって、《童貞》関係なくない⁉


「あっ、でも……ちゅー、は好きなとシタいよ、ね?」


 大丈夫です、『好きな』が相手ですぅ♡

 僕は【女神さま】に抱きついたまま唇を押しつけていた。

 ヤバい、柔らかい、良い匂いがする♡

 お、オッパイも大きいっ♡

 し、しかも、【女神さま】が逆に僕を押し倒して……し、し、舌を入れてきた~~~~~っ♡

 も、頭の中、沸騰して、訳が判らない⁉

 も、このまま死んでも悔いなし~~~っ、と思ったら【女神さま】の唇が離れてゆき、身体を起こしたのが判った。


 だよね~(笑)。

 これで終わりか……ま、良い経験させて戴きま ――

 にゃにぃ⁉

 【女神さま】が僕に跨ったままスカートをたくしあげたんだがっ⁉

 絶対、【女神さま】の……お、おパンツは……し、白だと思っていたにょにぃ⁉


 紫の紐パンですと ――――――っ⁉


「ど、どどど、どうぞ(はうぅ⁉)……や、優しく……し、し、シテね♡」


 真っ赤になって視線を逸らせた【女神さま】が僕を誘ってるっ⁉

 小さ過ぎる紐パンから、髪の毛と同じ色の……あ、アレが、ちら、見えてるんですが!?

 そこ、見えてOKなんですかね~っ♡


 も、ムリっ⁉……ここで止まったら男じゃないっ⁉……僕はテーブルの上に置かれた『0.01mm』を、ちら、見て【女神さま】のおパンツに手を伸ばした時 ――


 ―― てろん、てろん、てろん、てろん……


と、間延びした着信音が響いたのだった。

 あ、そうだよね。僕の人生って、そういう負け組なんだよね。判ってたさ!

「ご、ごめんなさい」

 【女神さま】が僕から飛び退いて部屋の隅に置かれたポシェットに走り寄る。


「はい、わたし……なに?……えっ?、友達と呑んでるけどぅ?……莫迦ね、女子だけに決まってるでしょ……」


 そうなんだ、女子って平気で嘘をつくんだ。


「もぅ⁉……判ったから、今から帰るから!」


 え、それってと……ど、どど、同棲してる、ってコトですか?

さん、ごめんね……急用ができちゃって……」

 『急用』ですか? ベッドが必要な『急用』ですかね?

 嫌味の一つも言いたかったが僕は頷くしかできなかった。


 そのまま部屋の扉に向かいスニーカーを履き掛けて、何故か【女神さま】は僕のそばに戻ってきた。

 そして、テーブルの上に置かれたままだった『0.01mm』を握り締めて僕に頭を下げたのだった。


「か、勝手な事言うようですが……し、しし、シタ事にして貰えませんか?」


 ああ、そうか。友人の彼女を襲った彼氏の代わりに身体を差しだしたのだ。本来なら友人が受け取る【謝罪】を僕が代わりに貰うという流れだった。

 つまり、僕がシなかったら、後日改めて友人に差しださなければならないのだ。


「判った……良いよ、それ、貸して」


「えっ?……でも、これ残ってたら……」


「だから【使用済み】にしておくから」


 暫く意味が判らなかったのか目を、しば、しば、していた【女神さま】が理解したようだ。真っ赤になって僕の『もっこり』を、ちら、見て握り締めていた『0.01mm』を差しだしてきた。


「あ、ああ、あの……い、いつか……き、機会があっちゃら(はうぅ⁉)……そ、その時は……き、きっと(はうぅ⁉)……」


 勿論、『機会』など絶対に、二度と、巡ってこないコトくらい僕にも判っている。

 モブの人生なんて、そんなモンだから。

 【女神さま】と、ちゅー、できた……いや、ベロちゅー、して貰った幸運を噛み締めて僕は『証拠隠滅』の為に『0.01mm』の封を生まれて初めて切ったのだった。



         【この項 おわり】

            【つづく】

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