第6話

なぜ天海が今まで何もしなかったのか。


100万人は軽く超えるこの異能都市で7番目に強いのに。


それは簡単な事だった。


天海の異能は 崩壊爆発エクスプロージョン 最強の爆発系だ。


そのため周りへの被害が尋常じゃない。


だが今はそんなこと言ってられない。


少年の命がかかっているのだから。


(被害は最小限に…!)


天海は足元を爆発させ、爆風で真空刃の少女に急接近した。


(いける…!)


天海の顔に笑みが浮かぶ。


爆拳ばっけん!」


爆拳は殴る瞬間に拳を爆発させる技だ。


顔面に爆拳を喰らった少女は吹き飛んだ。


10メートルは飛んだだろう。


凄まじい威力だ。


少女が気絶した所で異能審判アビリティジャッジ(警察のようなもの)が駆けつけてきた。


少女の身柄を拘束し、腕が吹き飛んだ少年を見て救急車も呼んでいる。


天海は体の力が抜け、へたりとその場に座り込んだ。


少年の意識が戻ったようだ。


救急車に乗せられる少年にせめて名前だけでも聞こうと歩み寄る。


「ねえ、アンタ名前は…?」


天海に気づいた少年は


桐谷きりたに美鈴みすず…」


彼は確かにそう答えた。

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異能少年は突っ走る!外伝 爆発少女も突っ走る! ちぇいさー @cheisaa

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