第4話

「え…?嘘…なんで?」


天海は混乱している。


中学生なら当然だろう。


体が吹き飛んで起き上がる。

そこには血だらけの少年。

混乱するに決まっている。


「にげ…ろ」


少年はハエのような声量でそう言った。


戸惑う天海を気にする暇もなく、

少年の体から血が吹き出した。


「がっ、はぁっ、」


少年の口から血が溢れ出る。


しかし少年は立ち上がる。

守るべき人がそこにいるから。


「こいよ…いるんだろ?そこに…」


すると店のクレーンゲームの影から一人の少女が現れた。


少女は何も言わない。


何も言わずに少女は構える。


真空刃エアスラッシュ系の異能力者だろうと少年は踏んでいる。


(相手の攻撃は…見えない…瞬間移動テレポートで避けようにも…見えなきゃ無理だ…。)


この少年は瞬間移動を扱う異能力者だ。

攻撃が見えれば避けられるのだが、今回そうはいかないようだ。


(来る…!)


真空刃を操る少女は攻撃の体制に移った。

攻撃対象はもちろん桐谷


天海に真空刃が飛んでくる。


ブシュッ


血の吹き出す音


だが、それは天海の血ではなかった

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