第4話 初めての魔法射撃と新たな敵

ユスフは、エルヴィンとの訓練を重ねる中で、魔法の力を拳銃に取り込む技術を習得していった。彼の射撃は以前よりも遥かに強力になり、ただの物理的な攻撃を超えて魔法の障壁やエネルギー体さえも打ち破ることができるようになった。しかし、それと同時に彼は、この新たな力をどのように使いこなすべきか、慎重に考える必要があることを学んだ。


ある日の夕方、ユスフは訓練を終えた後、庭園で一人静かに拳銃を手にしていた。彼はその銃を見つめながら、エルヴィンから教わった魔法を思い返していた。今まで自分が信じてきた技術に、新たな要素が加わることへの興奮と不安が入り混じっていた。


「本当にこれで良いのだろうか…?」ユスフは自問した。彼は自分の能力に自信を持っていたが、魔法を使うことが本当に正しい選択なのか、まだ確信を持てずにいた。


その時、不意に庭園の奥から異様な気配を感じ取った。ユスフは即座に身構え、拳銃を構えた。風が強く吹き、花々がざわめく中、影のような存在がゆっくりと現れた。


「誰だ?」ユスフは低い声で問いかけたが、返事はなかった。代わりに、その影は徐々に形を成し、やがて異形の怪物が姿を現した。巨大な体と鋭い爪を持ち、目は暗赤色に光っている。


「これは…ダリウスの仕業か?」ユスフは直感的にそう感じた。怪物は威圧的な姿勢でユスフを見つめ、次の瞬間、獰猛な咆哮を上げて彼に襲いかかってきた。


ユスフは冷静さを保ち、拳銃を構え直した。通常の弾では通用しないと判断し、エルヴィンから教わった魔法を拳銃に注ぎ込む。拳銃が青白い光を帯び始め、それが彼の手に伝わってくる。


「これでどうだ…!」ユスフは怪物に向かって引き金を引いた。


弾丸は光の筋を描きながら、怪物の方向へ飛んでいった。次の瞬間、怪物に直撃し、その場で爆発するような音と共に消滅した。ユスフはその光景を見届け、しばらくその場に立ち尽くした。


「魔法が…効いた。」ユスフは拳銃を見つめ、深く息を吐いた。これまでの経験ではあり得なかったことが目の前で起こり、彼は自分の力が変わりつつあることを実感した。


リーナ王女が駆け寄り、「ユスフ、大丈夫ですか?」と声をかけた。彼女の顔には心配の色が浮かんでいた。


「大丈夫だ。」ユスフは彼女に微笑んで答えた。「今のは、魔法が効いた。これでこの世界の脅威にも対抗できる。」


リーナはほっとしたように微笑み、「あなたがいてくれて本当に良かった。この国を守るために、もっと力を貸してほしい。」


ユスフは頷いた。「もちろんだ。この力が役に立つなら、どんな敵でも立ち向かう。」


彼は自分の中で、魔法を受け入れる決意が固まっていくのを感じた。これから訪れるであろう数々の戦いに備え、彼は一層の覚悟を持って前進していくのだった。

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