第23話
探索者生活1280日目
13層には魔蝙蝠はいない。その代わり、触手を持った植物の魔物が現れる。
この魔物は本体を倒さないと、死なない。相性が悪いので、なるべく避けるようにする。
その証拠に安全度は13階95 14階層96 15階層95 16階層90となっている。
なので、今は、15階層に潜っている。
15階層は黒刃熊が出現する。体調が3mをゆうに超える巨大熊で大きいのに俊敏で力強い。しかし、相性はそこまで悪くない。2体以上いたら、流石に逃げるけど。
でも、出合い次第倒したいと思っている。なぜなら魔石の値段が5000円、ドロップアイテムのクマの毛皮は1万円と無茶苦茶うまい熊なのだ。
まだ15階層に慣れてないので、日給は4万を超えていないけど。
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探索者生活1320日目
美玖ちゃんがスマホを家に忘れたとのことなのでダンジョンに行くついでに会社に届ける。
フロントのお姉さんに尋ねる
「あの、美玖ちゃんじゃなかった。山田美玖って出社してますか?」
「あなたは?」
「山田美久の夫です。」
「アポイントメントはございますか?」
「アポイントメント?ないです。」
「それだと、お繋ぎすることはできません。」
もしかして、半袖半ズボンの筋肉トレーニーだから、怪しまれてるのかもしれない。
「嘘です。アポイントメントはあります。」
「どういうことですか?」
「スマホを忘れてたから、届けに来たんですよ。」
「はぁ。」
「美久ちゃんが無理なら、社長と会えます?」
「余計に無理です。」
「一瞬、一瞬につないでほしいんです。それで分かりますから。」
「はあ。まあ、とりあえず尋ねるだけ尋ねてみますけど。」
「お願いします。」
それから、フロントの人がどこかに電話をかけて5分。気まずい空気が流れながら、美久ちゃんがエレベーターから降りてきた。
「ごめんね、裕也。」
「いいよ。どうせダンジョンに行くついでだし。」
「後、今度からはこれもっといて。」
「何これ?」
なんか名札もらった。
「これがあれば、アポがなくても会えるのよ。」
「そんなのあるんだ。貰っとくね。」
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フロントの女性目線
まさか、あんなどこにでもいそうな野生トレーニーと完璧超人と社内の男性に絶大な人気を誇る社長令嬢の美玖様が結婚してるとは。
それに、あんな笑顔の美玖様なんて初めてみた。
負けた。野生トレーニーに負けた。
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