第10話

探索者生活320日目


ふむふむ、へぇー。

僕がいつも使っている探索協会が発行しているカードを使って、ダンジョンに使う消耗品や武器を買っていると、確定申告は出さなくていいらしい。

利益も費用も自動でやってくれて、税金も自動引き落としらしい。

すごい便利だ。

脱税しようと思えばできそうだけど。

探索者を一人でも増やそうという取り組みなのだろう。


「山田様。」


「はい、山田です。」


無人魔石交換所に話しかけられた。


「ダンジョン探索免許は一年毎に更新が必要です。」


「そうだった、そうだった。」


「それと、初心者講習と危険予測講習の受講も必須です。」


「それって、何時間ぐらい?」


「どちらも9時間の講座を受ける必要があります。そして、講座後にテストを受ける必要があります。」


「点数が悪かったら?」


「講座の再履修です。」


「うん、頑張るよ。」


「ご健闘をお祈りしています。」


ーーーーーーーーーーーー

探索者生活360日目


長い長い探索者講座の始まりだ。


「あれ?山田さんまだ、探索者やってたんだ?」


「久しぶり、佐藤さん。佐藤さんはパーティー組んでるの?」


「まあ。山田さんはソロで?」


「うん、組んでくれる人がいないからね。」


「それは、、、やめた方がいいんじゃないんですか?」


「なんとかやれてるよ。僕が潜っているのって5層だから。」


「えっ!まだ5層なんですか?」


「うん、佐藤さんは?」


「私達は、15階層ですよ。」


「おー!すごいね!」


同期の顔も久しぶりに見れたし、話せたし、なかなか楽しかった。

ちなみに、僕は『ケンちゃんねる』で予習していたので、試験はクリアできた。


ーーーーーーーーーーー

探索者生活370日目


探索者一年と僕と美玖ちゃんが付き合って7年になるので、記念日ということで旅行に行った。


「結婚について考えてくれた?」


「考えたけど、正直自信はないな。」


「そう。でも結婚はしたいの?」


「まあ、出来ればいいけど、、、。」


「はっきりしないわね。」


「ごめんね。」


「毎日、私とHしたい?」


「したい。」


「結婚したら毎日できるのよ。」


「そっか!じゃあ、結婚する!」


「じゃあ、決まりね。」


僕は結婚することになった。

今は、婚約か。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る