第9話
探索者生活300日目
「蜜柑ちゃん、どう思う?」
「姉さんは、裕也さんのこと好きだから結婚するのは当たり前じゃないんですか?」
蜜柑ちゃんが僕の家にピザをたかりに来たので、奢っている時にこの前会ったことを聞いてみた。
「蜜柑ちゃんは子供だからそう思うだけだよ。でもね、結婚ってのは条件が必要なんだよ。特に美玖ちゃんみたいな人には。」
「裕也さんに子供扱いされるのは腹立たしいですが。まあ、お父様が用意したお見合いを全部断っているんだから、姉さんにも強い意志があるんですよ。」
「意志は置いといて、現実問題、僕は底辺探索者だよ。一日1万円も稼げないんだよ。」
「それは、ひどいですね。私の月100万のお小遣いをもらっているので、私よりお金を持っていないです。」
(嘘だろ、、、、なんで僕、ピザをたかられてるの?)
「そうだよ。蜜柑ちゃんだって、稼いでないし、危険な仕事をしている僕より、お金を稼いでいて、安全な仕事をしている男子の方がいいだろ?」
「まあ、確かに。でも、姉さんは自分が稼げばいいと思っているんじゃないですか?」
「そうだけど、、。でも、僕なんかでいいのかな?」
「いいんじゃないですか。裕也さんがお兄さんになったら、私は嬉しいですよ。
いつも暇そうだから、構ってくれますし。」
「暇ではないよ。探索者は体を休ませる必要があるんだよ。」
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異世界生活310日目
少しは稼げる探索者になりたいけど。現実は甘くないので、時間が必要だ。
こういう、心に焦りがあるときは、ゴブリンをタコ殴りにするか『ケンちゃんねる』のアンチ活動をすることで平静を保つ。
「よし!今日も頑張るか!」
僕はやる気に満ちていた。
美玖ちゃんのおかげでもあるが、気分の上がる音楽を聴きながら、ダンジョンに潜ったからだ
ステータス
レベル12
攻撃65(+10)
防御53(+5)
器用52(+5)
敏捷66(+10)
魔法22(+5)
スキル 逃亡攻撃(敏捷,攻撃補正)生き残り(全ステータス補正)
ダンジョンに潜って、一年近くなると生き残りのスキルをもらえるって聞いたけど、本当にもらえた。全部のステータスが+5も上がった。
全然、ステータスが上がらない僕からしたらとてもありがたい。
今日も5層で魔狼の群れを殺し回る。
生き残りのスキルが生えてから日給は1万円を超えた。
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