第4話

探索者生活110日目


レベル7


攻撃31

防御28

器用27

敏捷30

魔法7


ダンジョンの2階層にもかなり慣れて、1日の稼ぎは5000円になった。

お金に余裕はないけれど。少しずつ貯金もできるようになった。

ステータスとしては、他の人のレベル3、4位。

やっぱり、僕に探索者としての才能は乏しいみたいだ。


「まあ、でも。気楽に働けるから続けるけど。」


バイトの時もそう思ったけど、誰かに合わせるのはやっぱり僕は苦手だ。

美玖ちゃんみたいに子供から僕を知ってる人じゃないと。


ーーーーーーーーーーーーーーー

探索者生活112日目


家(アパート)に帰ったら、玄関に見知った顔がいた。


「あれ?蜜柑ちゃん。何してるの?」


「あっ!裕也さん!」


「うん、裕也だよ。」


「とりあえず、寒いので部屋に入れてください!」


「えっ?うん、まあ、いいけど。」


美玖ちゃんの妹の蜜柑ちゃん。

確か、まだ小学生4年生だったはず。

扉を開けて、部屋に蜜柑ちゃんを中に入れる。


「それで、どうしたの?もしかして家出とか?」


「お腹が減ったので、ご飯が食べたいです。ピザがいいです。」


「それはいいけど、本当にどうしたの?家出とか?」


「そんなことより、ピザが食べたいです。」


(相変わらず、独特な子だな。)


ピザを注文して、配達を待っている間。

美玖ちゃんに連絡して、分かったことだが、蜜柑ちゃんは塾で勉強するのが嫌すぎて家出したらしい。


「探索者は楽しいですか?」


「うん、楽しいよ。気楽で。」


「ふ〜ん。私も探索者になりたいです。」


「いいんじゃない。僕でもできるんだから、蜜柑ちゃんもできるよ。」


「無責任なこと言わないでください。」


「ええぇ、、、。」


「勉強ってなんのためにするんですか?」


「自分のためじゃないかな?今は、学歴社会とは言えないけど、それでも有利には違いないからね。」


「そんなの10年後の話です。今の私には関係ないです。」


「そうだね。じゃあ、好きな事やればいいんじゃない?」


「好きな事ですか、、、。特にありません。」


「えっ?そんなことあるの?映画とアニメとか好きじゃないの?」


「あんまり見ません。」


「好きな食べ物は?」


「ピザです。」


「じゃあ、ピザ屋になればいいんじゃない?」


「考えなしのいうことは信用できません。」


「そっ、それは、、そうだね。」


(何一つ否定できない、、。)


「とりあえず、ピザを食べたら帰るんだよ。送って行くから。」


「ピザの質によります。」


ピザっ子にピザを奢った。

配達のピザって受け取りと比べて2倍の値段がするから高いんだよな、、。


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