第2話

探索者生活10日目


ステータス


レベル3


攻撃13

防御11

器用11

敏捷12

魔法0


やっとレベル1の平均ステータスになった。

毎日、懲りずに鉄パイプでゴブリンを殺し回った甲斐がある。

1日に10体は殺せるようになった。

それでも3000円にしかならないけど。

それも、一日中ダンジョンの中を駆けずり回って。

割に合わない。それに、鉄パイプは1日でダメになるし、食費もかかる。

体が資本だから、鍛えてきて体力はあるけど、それに必要な栄養も睡眠もとらないといけないし。

普通に赤字だ。


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探索者生活14日目


僕は大家さんに家賃の交渉をしたが、延長は許されなかった。

それほどまで、底辺探索者の地位は低いのだろう。

なので、


「お願い、美玖ちゃん!!お金貸して!!」


「また?今度はいくら貸せばいいのよ?」


「5万!5万貸して欲しいんだ!!」


「はぁ。しょうがないわね、、。」


美玖ちゃん。

僕の幼馴染で恋人で、大学で勉強しながら、親の仕事を手伝っている。

気が強いけど、優しいとこもあって、何より美人だし、胸も大きい。


「本当に?ありがとう!!」


「その代わり!デートするわよ。もちろん、裕也の奢りでね。」


「うん!、うん!もちろんだよ!!」


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探索者生活17日目


大好きな彼女と久しぶりにデートして、ものすごく元気がいい。

彼女のためにも俺は日給5万を目指すんだ!!


「と思ってたけど、やることはいつも通りだよね。」


美玖ちゃんは社会に出て気づくだろう。

僕よりも魅力的な人間はいくらでもいることに。

その時に、僕はおそらく別れを告げられるだろう。

これは、客観的な事実だから。情けない話で、悲しいがしょうがない。


せめて、その時までには自立できるくらいには、稼げるようにしないと。

今日も今日とて、ゴブリンを鉄パイプでなぐる。


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探索者生活30日目


とうとう起きてしまった。

魔物の異常発生。

ダンジョン1層には、ゴブリンしかいない。

それも集団で現れても3匹くらいだ。

だが、目の前には、オークがいる。


「やばい!!!」


大声を出しながら、逃げる。

運のいいことに、オークの敏捷性は低い。

なんとか逃げ切れた。

地上に上がって、無人の魔石交換所にて、一層でオークが現れたことを報告して家に帰った。


生きた心地がしなかった。


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異世界生活31日目


1日寝て起きたら、昨日に感じた恐怖はすっかりなくなっていた。

僕の長所は体力とメンタルなのだ。


しかし、流石にまだ、オークがいたかもしれないので、ダンジョンに行くのはやめた。今日は、ダンジョンで使えるアイテムがないか、ホームセンターに行ってみることにした。ホームセンターにはなんでもある。


それでも時間が余ったので、美玖ちゃんが暇だったので、美玖ちゃんと家でお酒おを飲みながら映画を見た。もちろんお泊まりで。


「無茶しないでね、裕也。」


「もちろんだよ。すぐ逃げるよ。」


「別に働かなくていいんのよ。私が養うもの。」


「ははは、それじゃ、格好がつかないよ〜。」


「笑い話じゃないわよ。」


美玖ちゃんは、僕を甘やかすのが好きなのだ。

僕はそれによく甘えるけど。


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