人間として

@nasuzoudesu25

第1話 私という人間について

 私の名前は古性 詩朗(こしょう しろう)。


 私はよく詩朗(しろう)さんと呼ばれている。はたから見ると無職だが、私自身は画家を名乗り生活している。なので、断じて無職ではない。まあ、食べていける程、稼げてはいないが…。



 今のところ、各地を転々としていて、優しい人の元でご飯を食べさせてもらっている、といった感じかな。なにせ、私は他の男たちとは違い、見た目としては女受けの良い好青年だから、私がその辺の女に頼めば金が無くても宿に泊めてもらえる。



 私は自身のことがあまり好きではないが、私の見た目は私で良かったと思っている。もし、私の顔がこんなに良くなければ、私は今頃生きていないのかもしれないので、私は私の顔だけを誇りに思っている。


 また、他の人達からよくこんなことを言われる、


 「こんなにハンサムな顔なら、あなたはさぞモテるでしょう。そのため、たくさんの女の子と遊べて良いではありませんか。羨ましいです。もし、私があなたの顔で生まれたのなら、恋人をとっかえひっかえして、恋愛を楽しむことができていたのでしょう。」


 確かに、私はとても、いや、物凄く女に言い寄られる、だがそれは、良いことばかりではないと私は思う。端的に言うと、女はかなりめんどい。私は経験に基づいてそう思っている。

 それがどんな経験かというと、1に私は付き合ってもない女からビンタを食らったり、2にワンナイトをしただけの女に付きまとわれて警察沙汰になったり、3に好きでもない女達から告白をされ、断るのが大変だったのだ。

 

 私はこのような事があって、正直言うと恋愛に興味が無くなってしまった。それはきっと学生時代に遊びすぎたということもあるのだろう。

 

 

 また、実のところ私は人間自体にも興味が沸かない。だからなのか、仕事を一か月でクビにされてしまった。


 「君は周りの人に気を配れないのか、本当に空気が読めない人間だな。」


 こう言われたのだ、まあ仕方がないか、私の性質上、どうやら集団行動や他人と協力するような仕事は向いていないらしい。クビになった原因の第一位はおおよそ遅刻だろう。私は生まれつき遅刻癖があるのだ。学校でもそうだった。

 

 でも、これは聞いてほしい、一度ついた遅刻癖というものは基本的に治らない、これはもう、その人の性格のようなものなのだ。治せるようなものじゃない、と私は思う。まあ、私についての自己紹介は軽くこんなところである。


 でも、私は浮気性というわけではないし、女好きというわけではない。ただ、飽き性で嫌というほど女にモテるだけなのだ。女の方から寄ってくるだけなのだ。

 ただそれだけのこと。

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