第4話
「怒ってない、ですか?」
てっきりり、わがまま言ったから怒ったのかと…
「当たり前じゃん!こんな可愛いこと言ってくれてるのに、怒る彼氏がどこにいるの!?甘えてくれる方が嬉しいから、謝らないでよ」
「白川さん...」
白川さんはよく私の事を可愛いと言ってくれる。
その度に私は、ドキドキして、からかわれる。
「迷惑じゃなかったら、今から会いに行ってもいいかな?」
「え、でも、」
今は深夜で、白川さんは明日もお仕事で早いはずなのに。
私のせいで無理させちゃってるかも。
「駄目?」
駄目なわけない。
嬉しいに決まってる。
だけど、明日もお仕事だから、ゆっくり休まないといけないのに…
「嬉しいけど、…あ、私が白川さんのお家に行きます!」
そしたら、白川さんの寝顔を見て、満足したら家に帰ればいいだけから、迷惑かからない。かも。
「え?そんなの駄目に決まってるでしょ」
「どうして、」
結構いい案だと思ったのに
「こんな時間に彼女を外に出す男がどこにいるよ。待ってて俺が行くから」
確かに、白川さんは優しいから気にしちゃうか。
「でも、明日も早いのに申し訳なくて」
「何言ってるの?もっと甘えなさい。彼女なんだから」
「彼女...」
その響きが、なんだか嬉しくて、少し恥ずかしかった。
「ねぇ、会いに行ってもいい?」
「白川さんがいいのであれば...」
「もちろんだよ。後…30分ぐらいで着くから待っててね」
「分かりました。待ってます」
早く30分経たないかな...
一週間も待てたんだから30分なんて待てるに決まってるよ。やっと白川さんに会えるんだって思ったらソワソワしてきちゃった。
ピーンポーン
きっと白川さんだ!
「陽菜ちゃん」
「白川さん!」
思わず抱きしめてしまった。
「ふふ、久しぶりだね」
そう言って、急だったにもかかわらず、しっかり受け止めてくれた。
「寂しかったです...」
「俺も。陽菜ちゃんに会えなくて寂しかった。だけど、相手が誰かちゃんと聞いてから鍵開けてね?」
久しぶりに会えるから、嬉しくてつい…
「ごめんなさい、」
「そんなに落ち込まないで。怒ってないよ。ただ心配して言ってるだけだから。ね?」
そう言って、彼は肩に手を置き、顔を覗き込んできた。
叱られてるのは分かってるけど、すごく会いたかった。から、それどころじゃない。
「白川さん、あの...」
「ん?」
「ギュッてしてもらっても...いいですか?」
「もちろん。おいで」
「白川さん、会いたかった…!」
「俺も会いたかったよ」
「やっぱり白川さんと一緒にいると落ち着きます」
「ありがとう、、」
あれ、白川さんの表情が…
私、なにか間違えた?
抱きしめてなんて言ったから、引いちゃった?
「ごめんなさい。私、何かしちゃいましたか...?」
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