第6話 33歳~41歳

33歳


楓は、妊娠して2人目の子供を出産した。


これで旦那と上手く行くかもしれないと…


願っていた。


子供はすごく可愛い…


楓なりに幸せを感じていた。




剣がマンションを購入したと噂で聞いた…


剣が幸せなら、それでいい…




35歳


楓はパートに行き始めた。


この歳の11月の剣の誕生日から、楓は剣に毎年メールを送るようになった。


剣は、ありがとうと返事をくれた。




37歳


楓は離婚した…


旦那の性格は変わらなかった…




中学の仲間と集まった時に、剣は子供二人を連れて来た。


祥子の話だと、剣は子供達を溺愛してるそう…


子供がいたから剣と話すことは出来なかった。




楓は、剣の誕生日にいつも通りメールを送った。剣からはありがとうといつも通り返事が来た。




39歳


楓は、創という男性と出会って恋に落ちた…


6歳年下だけど、すごくしっかりして優しい人。


でも、付き合ってすぐに上手くいってない時があった。


そんな時…


かかりつけの病院に行ったら、偶然剣に会った。


「久しぶり〜、この病院に剣も来てたんだね」


剣は「そうよ~、最近どう?」と聞いてきた。


私は離婚したこと…彼が出来たけど上手くいってない事を話した。


楓は「もう歳だから恋愛も色々と難しいよね」と言うと…


剣は「そうか…もし歳を取っても楓が1人だったら俺が一緒にいてやるよ」と言ってくれた。


楓は「マジでー絶対よ」と返した。


剣は、離婚して実家に帰っていると話した。




詳しいことは聞けなかったけど…


剣の言葉は冗談でも…本当に嬉しかった。


いつかそんな日が来ますように…と願った。




私は何がしたいんだろう…


好きだけど、もし付き合って上手くいかなかったら関係が終わってしまう…


それが怖いのか…


それに…私達の偶然は、いつも噛み合わない…


タイミングが悪過ぎる


どうして…こんなにもすれ違うのか…




41歳


楓は、創と半同棲になっていた。


創も、離婚経験者で子供もいるから結婚は難しい状況だった。




祥子が、中学の友達と飲みに行こうと誘って来た。剣も来るらしい…


楓は「祥子ありがとう」と叫んだ。




近くのチェーン店の居酒屋で集まった。


祥子と友達は、隣同士で席に座った。


気を遣ってくれたんだね…


剣は迷わず、楓の隣に座った。


みんなで久しぶりにワイワイ騒いで…


中学の時の話で盛り上がって…バカ話して…


本当に久しぶりに大笑いして、楽しかった。




気が付くと…朝の5時近かった。


剣はトイレに行くと言ったきり帰って来ない。


トイレも探して貰ったけど居なくて…


電話しても出ない。


かなり酔ってたから…


とりあえず、みんなで店を出た。


剣に


―――何処にいるの?大丈夫?みんな心配してるよ。


と送っておいた。




翌日、剣から


―――ごめん。気が付いたら車で寝てた。


とメールが来た。


無事で良かった…




他の友達と一緒でもいいから、また会いたい…


楓は、創を愛している。


でも、そう思ってしまうこの気持ちは…


いったい何なんだろう…


愛とは違うのかな…


考えても答えは出ない…

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