第7話 42歳

42歳


楓は、創と順調に付き合っていた。


結婚には、まだまだかなって感じだったけど


創は、お金も入れてくれて


子供ともうまく行っていた。


何も不満は無い…




11月…いつものように剣に誕生日メールを送った。


剣から


―――ありがとう。元気?今度飲みに行かない?


と返事が来た。


珍しい…剣から言ってくれるなんて…


―――いいよ!いつがいい?


―――勤務表見て、また連絡する。


―――分かったー




土曜日、近所の居酒屋で二人で飲んだ。


二人で会うのは久しぶり…


剣は、離婚した時の話をしてくれた。


結婚してから数年後には、うまく行っていなかったんだけど、どうにかしようとしてマンションを買った。


数年、頑張ってみたものの…ダメだったそうだ。


でも、そのマンションには元奥さんと子供が住んでいて、マンションのローンは剣が払っていると…


それと養育費も、二人分6万を払っている。


だから…彼女なんて作れない。


自分は、子供が可愛いから会いたい。


周りの離婚して再婚した人達は、再婚相手が嫌がるからと…子供とも会わなくなったと聞いた。


だから自分は、再婚しないと剣は言った。




楓は


私も、相手は離婚歴がある人だけど毎月子供と会ってるよ。私はその気持ちが分かるから止められないし…理解がある人もいると思うよ。


と話した。




私なら、理解できるのに…




昔…


楓が「剣にとって、私は何なの?」と聞いた時に、剣は「熊」って言ったんだよ


と話すと…


「マジで?俺そんなこと言った?マジで覚えてない…ごめん」と言った。


剣のお母さんに言われたことも、剣は全く知らなかった。




剣は


昔…私が振った時、すごいショックだったと話した。


今度は、私がごめんと謝った…


剣は、楓が結婚するまで…ずっと楓のことを想っていたと言ってくれた。




そんな人をなぜ振ってしまったのか…


後悔しても遅い…




剣は、その頃


中学の友達と何かあったらしく…


付き合いを絶っていた。




だから、今は楓としか連絡取ってない…


また、飲みに行こうと言ってくれた。




私が誰もいない時…剣には誰かがいて…


剣に誰もいない時は…私に誰かがいる…




どうして、こんなにもすれ違うのかな…


私達は永遠に付き合うことはないのかもしれない…




でも、こうして…


友達として、たまに会えるならいいのかな…




歳を取っても友達でいようって約束したんだから…




そう思いながら…


剣と楽しい時間を過ごした。

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