⚅⚅⚀話 手繋ぎ!(現)
洞窟の中は湿っており、奥は暗くて光源が
無いと前が見えない。
リョークだけ松明に火をつけることにする。
ウーロ「待ってお兄ちゃん!」
リョーク「なんだよ?」
ウーロ「私が手を握ってれば誘導できるんじゃない?」
リョーク「あー、そっか」
ムギ「ッ!?」
確かにそうだ。
それではリョークはウーロと手を繋いで……
ムギ「私も私も!」
リョーク「ムギもかよ! いや、1人で十分だって!」
ムギ「だってウーロちゃんだけはズルい!」
ウーロ「へへへ……ムギちゃんもどんどん露骨になってきたね」
ムギ「えッ!? そ、そそそうかな? アハハ、ムギちゃんに入り込んじゃってつい」
リョーク「まあ、両手握られると行動阻害が起きるみたいだからどっちか1人と手を繋ぐのはありだな」
ムギ「わ、わかった……」
⚀……⚅
「お、おい、マユミ」
片手でルールブックを読んでいるダイチが隣で、机に置かれたノートに描かれた簡易的な洞窟の地図と可愛い絵の描かれた紙が貼ってある消しゴム達をぼーっと眺めるマユミに話しかける。
「んー? 何、ダイちゃん?」
「読みづらいから手を離してくれないか?」
ダイチが机に隠れている手を挙げると、その手ぎゅっと握るマユミの手があった。
「ッ!? あわわわごごごごめん!」
慌てて手を離すマユミ。
「マユちんそれはいくらなんでも露骨過ぎるって……」
「きゃああ!!」
ヌッと机の下からリッカが顔を出し、驚いたマユミは慌てて否定する。
「違う違う違う! そうじゃないの! え、演技に力入っちゃっただけ!」
「マユミって結構演劇とか向いてるのかもな」
「そ、そうなのかな?」
「キャラに入り込みやすい!」
「まあ、わざとっぽさはないよね」
ダイチがフォローしつつリッカはジト目で頷く。
⚅……⚀
それじゃあ気を取り直し、リョーク達が進んでいきいろいろと探索していく。道中冒険者の使用物だったであろう装備等も見つけ、
ウーロ「不味いね……誰か捕まってるのかも」
と、不穏な空気を感じつつ奥に進む。
すると洞窟の最深部に到着しそこに魔物達が群がっており魔物語で何か話している
ウーロ「聞き耳判定出来る?」
ムギ「ききみみ?」
ウーロ「相手の会話をこっそり聞いとれるかの判定だよ」
聞き耳は出来るが、魔物語がわからないと何を話しているか……
ウーロ「しまった、ワタシ覚えてないや!」
リョーク「習得しなかったのか?」
ウーロ「ムギちゃんと内緒話をするためにドワーフ語を覚えた」
ムギ「な、なんで!?」
どうせ、身内のセッションだし習得し直しても良いぞ?
ウーロ「いや! ムギちゃんと内緒話したいからこのまま!」
ムギ「だ、だからなんでよ!」
そしたらどうする?
ウーロ「とりま魔物知識を」
⚀⚂
ウーロ「出目低いね……」
ヤバイぞ。
ゴブリンが2体いるのはわかったがもう1体のボスみたいなヤツの正体はわからない。
ウーロ「ヒィィ!」
ムギ「み、見た目とかはわからない? 暗視あるよ!」
それはわかる。
羽が背中から生えてる。
ウーロ「飛ぶじゃん! もういいや、皆で不意打ちしよう!」
2人「えええ!?」
〈皆は不意打ちの準備をする〉
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます