⚂話 ゲームブックを買うぞ!(暑)

「あづいょ゙ぉぉぉ゙……ダイちんゆるちてよぉ゙ぉお……ワダジしんじゃうぅぅ……」

「もうちょっとだ! 頑張れリッカ!」


 炎天直下の道路を2台の自転車が走る。

 ダイチがこぎ、彼の腰にワンピースを着させられた涙と鼻水と汗を垂れ流すリッカが捕まっている二人乗り。そして後方にペースを合わせてこぐマユミ。


「ダイちゃーん! ゆっくりで良いから二人乗り気をつけてねー!」

「おう! まかせろ!」


 マユミはしっかりと帽子にアームスリーブをつけて漕いでいるが、ダイチ達はマユミからもらった日焼け止めクリームをもらって塗りたぐっただけ。

 一応適当な帽子とお情け程度にリッカの首にハンディファンを引っ掛けている。


「見えたぞ! ネコカブル書店!」


 汗だくのダイチが指差す少し大きめの本屋。そこの駐輪場へキキーッっと、ぶつからん勢いで駐輪する。

 汗で服ごとびしょびしょのリッカを背負い、マユミと共にダイチはネコカワ書店へ朝イチ入店する。



⚀……⚅



 ダイチ達はラノベや週刊誌月刊誌、ゲーム雑誌のコーナーへ歩いていく。


「ダイちゃんが探してる本ってどれぇ?」

「俺も実物を見たことないから……一応アマスンで表紙だけはわかってるんだけど……」


 ダイチはスマホをマユミに渡して、情報を共有する。


「えーっと……シールド……ローカルとって本?」

「そう、今回遊ぶのは【シールドローカル】っていうタイトルのルールブックなんだ。剣と魔法のファンタジーを舞台にした1000円ぐらいなんだけど、それを1冊買えばとりあえず遊べるんだよ。でも見つからないな……」


 3人でウロウロと本を探していると、


「ダイちん……あれじゃん?」


 ダイチの憑依霊と化していたリッカがおんぶをされながら指差す。

 皆が集中すると背表紙に【シールドローカル】というタイトル名がいくつも書かれていた。


「これだああああああ!」


 ダイチは興奮気味にA6サイズの1冊の本を抜き取る。


「ちっさ! 思ったよりちっさ! でも間違いない! シールドローカルのルールブック、ゲットだ!」

「「おおー!」」



〈ダイチ達はルールブックを手に入れた〉

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