若い体なら多少動いてなくてもなんとかなる
尊厳を破壊されてしばらく療養した後、俺は任務に出ていた。
しばらく体を動かしていなかったし、さやかに付きっ切りで俺単独の任務は久しぶりだ。
任務内容はとある施設への侵入である。どうやらその施設にはきな臭い噂が蔓延っており、その真実を明らかにするために俺は配属さえた。
まあ潜入調査といってもその施設は表向きには製薬会社となっており、俺はその工場見学にきた子供という設定────もとより子供なのだが────で潜入し、なにか情報を持ち帰るというのが目的だ。
.......まあ、『マジリバ』の世界を知っている俺からすれば茶番もいいとこなのだが。
勿論この製薬会社には裏の顔があり、それは様々な人体実験を繰り返してそのデータを敵へ売りさばくろくでもない施設なのだ。
まあそれを行っているのは地下深くの研究施設なのでそうそうバレることはなかったが、どこか怪しさを感じていた『協会』が試しに軽い潜入調査をしてみたら任務を終えて帰ってきた魔法少女たちは全て様子がおかしく、その日の晩に『魔法少女を辞めさせて頂きます』という置手紙を残して失踪してしまったのだ。
そのことから完全にクロと判断した協会がメキメキと実績を伸ばしている主人公に突入任務を依頼する。
これが大まかな中盤にある研究所ステージに入る導入である。
そう、お気づきかもしれないが自分はこの施設の潜入任務に配属されてしまったのだ。
ちなみに俺は3人目で、1人目も2人目も帰ってきてその日の晩に失踪済み。
..........うん、まずいよね。この前の出来事から『ゲームでなかった症状も後遺症として残る可能性がある』ということをすごく学んだ。
それを踏まえると、明らかにやばそうな状態異常がここの施設のイベントにはたくさんあるのだ。
ゲームではアイテムなどですぐに治った状態異常もここではそうとも限らない。
そうなってくるとちょっと話は変わってくる。
なにも自分は破滅願望があるわけではない。ただちょっとバステを受けて気持ち良くなりたいだけなのだ。
いうなれば自慰、オナニーの延長線。その行為になにか大変な代償があるなら躊躇するよねという話。
しかも今回は単独の潜入任務なのだ。助けを呼んでもすぐには絶対来れないし、そもそも助けを呼ばせてもらえるかどうかすらもわからない。
だったら手段は1つ────ここは変なことせずにおとなしく見学して帰る。これに尽きる。
どうせ原作どうりに進めばいつかは『協会』が主人公ちゃんに助けを要請するだろうし、俺はそれに便乗してさやかと共に乗り込むだけだ。
さやかが一緒なら多少バステを受けても安全に帰還できると思うし、そこでここのバステがどれほど影響を及ぼすか試せる。
だからまあ、今回はいのちだいじに。ここでコンテニューは出来ないのだから。
あと普通にここの製薬会社の工場見学面白いし
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