憧憬
私、川崎さやかが先輩と出会ったのは約半年ほど前。私が『怪物』に襲われる中、魔法少女の力に目覚めたは良いいものの使いこなせず満身創痍になりあきらめかけていた、その時。
────怪物を吹き飛ばして颯爽と誰かが目の前に現れた
小柄な体で黒いゴッシクドレスを身にまとう少女。
私はただ、その少女に目を奪われていた。
体格に見合わない強烈な一撃を放った後、私をみつけてその少女は近づいてくる。
「..................君、名前は?」
「か、川崎さやかです」
「............取り合えず、私についてきて。怪我の治療をしなきゃいけないし。..........どんな経緯で魔法少女の力に目覚めたか聞く必要がある」
「わ、わかりました............」
そのあとは魔法少女を保護し満足に活動できるようにするための『協会』という組織に案内され、少女から警戒が馬鹿らしくなるほど手厚い治療を受けた。
そして、私はこの先魔法少女として活動するかどうかの有無を聞かれたのだ。
魔法少女の力に目覚めたからといって絶対に活動しなきゃいけないわけではない。
もちろん拒否してもとの日常に戻ることもできる。
けれど私は、颯爽と現れて私を助けてくれた時の高揚感がいまだに残っていた。
────私もこの少女みたいに誰かを助けたい
その一心で魔法少女として活動することを決めたのだ。
「........本当にいいの?何かあってからじゃ遅いけど」
「はいっ!私もあなたみたいに誰かをかっこよく助けられるような人になりたいんです」
「なんで、かっこよく助けられるような人になりたいの?」
何故、人を助けたいのか。
その問いに対して私は、考えるより先に言葉を発していた。
「────あなたに憧れたから」
その後、その少女は魔法少女の戦い方や知識を教えてくれる『先輩』として私のことをよく気にかけてくれる。
任務についていってもらったり、先輩の技を教えてもらったりしてもらっていた。
プライベートでも少し交流があって、普段あまり表情が変わらない先輩がアイスを食べた時の見た目相応の笑みがとても可愛かったり、あまりファッションに興味がない先輩に似合う服を着せたりととても楽しい時間を過ごしたこともあった。
そして、そんな日々は変わらないと思っていたし、変わりたくもない。
けれど、私たちがやっている活動は常に危険が伴うことというの私は理解することになる。
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