移星

大星

移星

 この星に来てからどれだけの時間がたったのだろうか............

 

 我々の祖先が昔住んでいた星は、今いる星よりずっと文明が発展していた。星から星へ移動したという事実は、少なくともそれだけの文明は持っていたことの証明になるだろう。

 では、なぜそのような星の住人が自分たちの星を離れなければいけなくなったのか。それは隕石が原因だ。

 我々の祖先が住んでいた星に隕石が落ちた。彼らは星に隕石が落ちる三年前、すでに隕石の存在に気付いていた。そして隕石を破壊する方法を考えた。高度な文明を掛け合わせ、隕石の破壊を試みたが、隕石が落ちる一年前にそれが不可能になった。どれだけ優れた文明を持ってしても、自然の力には敵わない。

 次に考えたのが、「移星」だった。彼らは急いで宇宙探索をした。その結果近くに自分たちが住める環境がある星を見つけた。その星には我々の数千倍の大きさの生命が住んでいて非常に危険な星だったが、もう時間がなかった。彼らは、その星へと移星する準備をした。

 決まれば速かった。移星の準備は九か月ほどで終わり、隕石が落ちる二か月前、彼らは元いた星に別れを告げ、星を出た。

 そして新しい星に到着することに成功した。しかし、巨大な住民たちは自分たちに気づいてすぐに攻撃してきた。頭脳は我々のほうがあったが、力の強さではどうあがいても勝てなかった。我々の祖先たちがこの星に来てから三年間ほどは仲間の数が激減し、元の半分以下の数になった。

 

 それから長い時間をかけ、我々は仲間の数を徐々に増やし、今はこの星に来た時の数万倍の数になった。

 

「ふー、腹が減った。よし、食べに行くか。」

 この星に来てからの我々の主な食料はというと、ここに住んでいる巨大な生物の体内にある。その巨大な生物にばれずに食べるのはなかなか難しい。でも食べなければ死んでしまう。

 


 腕にかゆみを感じて、見てみる。蚊がいた。

 バチンッ...............

「昨日からこいつが俺の血を吸っていたのか」

 腕に大量の血が付いた。





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