さまよえるタイムエントロピー
イタチ
第1話
疲れた
何がどうと言う訳ではないが、私は何か疲れていた
そう、疲れていた
それでも、特に、どうと言う訳でもなく、枕元に、動画を流しながら
これからのことを、考え、少し、ほんの少し、布団を、かけて、目を閉じて
ふと目を開け、私は、直ぐに、携帯を見た
「オークション終了」
まずいまずい
まずいまずい
時間を見ると
ほんの五分ほど前だ
値段は、五千以下
何という事であろうか
送料も、固定であり
この大きさにしては安すぎる
なんてことだ
二万くらいまでなら、考えていたが
そんな事を、思いながら、その絵を、改めて、見て気が付く
オークションサイトなどで、そこまで詳細に乗っけられていない
いや、大きすぎて写真は難しかったのだろうか
どちらにしても、私は、ぼんやりと、それをみる、何かあると思った
多少気色の悪い
少女の顔が、剥がれ落ち、果実のように、雲に、垂れ下がる、その姿は、余りこのみではない
しかし、なんとなく、その雰囲気は、好きだった、自分と同じムジナだと
そう言う人間は希少だ
少数派と言うは、余りいないから少なく会う事も少ない
だから
まあ、欲しくなくても
でもなぜ、寝てしまったのか
油断か
何度同じことを、そうならないように
でも、なぜ
下に誰かいたから、目覚まし時計を、取らなかったせいか
歯医者さんの緊張から、疲れて眠って
なぜ、なぜだ
メールが一件あり、良く見ると、新聞を代わりに、配ってくれと言う
ああ
行きたくない、ほっぽりたい
しかし、それでも、私は、気分転換に、ならなかったが、新聞を配り終える
ぐじゃぐじゃぐじょぐじょだ
なにもやる気が起きない
絵も小説は、元より、こけしさえ作る気はない
何を考えているのか
自分の絵よりは、劣って居る
しかし、しかし、それは、何処かにとどまろうとしている
新しさではなく、自分の技法の中で、頑張り表現している
この憂いさ
三十号という大きさは、細密画にしては、余りにも、等身大すぎる
ボールペンで
私は、もう一度画面を見た、肉眼でこれを見たら、私はどう思うのであろうか
絵を曲りなりに勉強しようとした人間が、何を、ボールペンで書くのか
直ぐに、出品者に連絡を取るも、全てが、断られた結果になる
昨日も、私は眠ってしまった
これは、絵に対する恐れか、それとも不要に思って居るのか
私は、その絵を確認した際
落札者が、ゼロになっていた
問い合わせると、落札価格の12000から、四万に、変わっていた
何という暴挙であろう
これが、足元を見るという奴だろうか
その絵が、私の途に届いても、全く嬉しくない
着てしまった
あの絵を、落札せずに、そして、二度目だと言うのに、寝てしまう
あの最初の絵さえも、起きていれば、二万ほどで、落札できた可能性は、無いだろうか
だとすれば
あの時、最後の最後に、落札する気でいたから、わざと、高値で、事前に、入札し
幾らねが吊り上がろうとも、それ以上の値でなければ、落札されないシステムを、利用していれば
しかし、どうだろう、もしこれが、十万円だったら
買うだろうか
いな、買わないだろう
五十万
いや、五万だったら
値段だったら、買えと、誰かがいった気がする
しかし、これは不自由だ
世の中の通りに師従するくらいなら、何もない誰な奴の方が
あああ、なぜ、俺は、眠ってしまったのか 、
それほどほしくはなかった
しかし、勉強のため、何という事だろうか
なぜ自分は、これを
ああ
取るに足らない
しかし
それは、眠ってしまった事への、後悔
自分の心が、緩んでいた
それとも、買うなと言う事か
いや、どうなんだ、そんな感情論に等救われるのか
ああ、あの絵は、実は、複雑なものだったのだ
まるで、博多人形の眠り猫のように
後ろに春画が、隠れているような、珍妙さ
ああ、何という事だろうか
まさに、コレクションするには、面白い
その内容を、隠し、ただの怪奇絵に、するあたりに、意味があるのに、なんと
あの一瞬しかかねない
そう言うもののようなきがする
ああ、なんということであろうか
それは一見して、少女たちが、喧嘩をしたり、遊んだり、そこにグロテクスさ
ユーモアー、写実描写
何という事であろうか
これは、事もあろうことか
子宮の中を、言い表していたのだ
自分は、何を見ていたのか
まるで、植芝理一の世界観
原画だったら
ああ、馬鹿だ、自分は
それはさておき
もしその事実を知って居たら
もし、幽霊や、ろくロっくびのその意味を、知って居たら
もし、巨大な大きな、実写と幻想の狭間の
あの首を、理解していたら
もし、死んでいく少女たちの姿を、遊んでいる姿の意味を、作者の意味を、理解していたら
良く見れば、おかべりかのような少女の絵柄である
何たる何たるなんたる
自分は何を考えていたのか
こういう絵は・・・・
何を自分はそこまで、あいまいにさせていたのか
それは、社会性を失い
これを、誰かに言われた仕事、だと思えば、しっかりしたのか
自分本体は、その程度に、興味はないのか
ああ、何という事であろうか
作者の悩み、もしくは、ただの創作か
どちらにしても、私は、私は、私は、なぜ、なぜ、なぜ
それでも、歯を磨かなければいけない
やる気が起きない
でも、起こられる
言ってくれたのに
ああ、自分の核が地盤が、崩れる
これを、なおも、直すことは、出来ない
ああ、必死であらがおおにも、どうしようもない
この変わりは存在しない
石も、同じものはないが、しかし、これはそれを越した、無類さだ
同じようなものはあれど、違う
何たる失策、自分はこれほどまでに、大馬鹿野郎だったのか
ばかばかばかばかばか
何をやるにも、何かを買っても、買う気が起きない
それを比べたとき、それを出していれば、この金をあれに回せれば
全てが砂のように価値を失う
価値が砂にないわけではないが
意味がなくなっていく
ああああああああああああああ
何という事であろうか
私は絶えず、嗚咽し
自殺を考える
あれはかってはいけない
そんなどす黒い感情がどこかにあった
あれは、自分を、捉えてしまう
押しとどめてしまう
それなら
しかし、安ければ
あああ、何という事か、何という事であろうか
ああ、ばかだ、ばかだ、ばかだ、
これは、作者の思いが、伝播しているせいだろうか
その人は、説明文を、さぐるに、自傷を、もって、作品だという
何とも持ちたくないが
しかし、丸尾末広の文を、私は、深く
もっといろいろな単語を駆使し調べると出てくる
そうか、同士であったか、そう言われれば、納得がいく
そう言う系譜だ
絵柄は違うし
犬神博士以外は、分からぬが
しかし、丸尾を好きな人間を、私は嫌いになれない
好きである
しかし、しかし、しかし、なぜ僕は、自分は、私は、我は、なぜどうして、俺は、寝たのか
買わなかったのか
余計に落札額を増やさなかったのか
あああああああああ
後悔先に立たず
あああああ、タイムマシーンがあれば
この人の所属していた
画廊にメールをする
呟きサイトに、名前を打ち込み、探すが
画廊に聞いてくださいと言うメールをいただく
他の方は、もはや、更新されず、メールも意味がなかった
自分は、本当に欲しいのだろうか
余りにもどうしようもなく
私は、この感情、安定感のなさ、不安定感、抑えきれず
山に行くことにした
最初は、ドライブだった
なんともなしに、高原に来たかった
非人間的な場所に
そこで私は、初心者入山禁止と
広い原っぱのような場所と言うか、駐車場に、出た
ろくな装備ではないから、入ろうとも思えない
道も、草におおわれている
登山道だろうが、それがいよいよ恐ろしさを高めている
そのまま、滝を見て、多少別の場所で歩いて、帰ったが
この熱量は、収まらず、突発的に
私は、思い出したように、その山とは別の山に行った
あの日の夜
直ぐに、動画を調べると
登っている人が居た
それとは別に、もう一つの山を紹介していた
ああ
私は、いつか登らなければ、そう思ったが
それは、感情の爆発に、伴い
私は、前後不覚
周りを考えられず
この行動的障壁に向かった
同じことの繰り返しにより、私は、安定していた
他者と自分を分けることで、不感症で、私は何とか成立できた
しかしそれは、中学の頃のがむしゃら
善悪ではなく、行動
相手がいてからこその自分へと、戻る
つまりは自分の消滅を、意味していた
つらい制作
先もなく
もがいても何も起こらない
誰でもない誰かへ作るがゆえに、評価はない
死んでいる気でやっても、何もできもしない
あの泥沼で溺れるような日々なら
多少落としても、自分の予想通りの完璧を目指した方が
あああああああああああ・あ・ああ・あ・あ・あ・あ・あ・あ
私は、ようやく、帰ってきた、自分も保険に入って居る
車で、その山に向かう
途中、その遅すぎる入山
二時は過ぎていた
しかし、もう死ぬときは死ぬし
そう言うつもりでいた
ああ
登山道前で、酷い雨にあい
森の中で、びしょ濡れになる
奥社に行くが、登山道が分からない
聞いてもこの時間からではと、止められそうだ
私はあきらめにも似ながら
少し下がり
社務所の横に、入山届の設置を見た
行こう
私はそう思った
死ぬと思った
死
それが近くにあった
違えば死
鎖は、雨でぬれていたせいもあり
離せば死
私は、その後 あの山にも行ったが
結局私は、日常に戻ることなく、何もできず
寝ていた
時間が
しかし、何もできない
頭にはあれがこびりついている
どうでも良いはずが
なぜ、どうしてここまで私に食い込んだ
なぜだ、それは価値観か
それを作る日程と値段
そして、自分がかえなかった
その値段が
何故だ
なぜ私は、そこまで思って居る
どうでもいい、あまり見ないコレクションの一つ
それを持つことで、心が安定するのではと、思って居たが
今までには、戻れない
もし、今ここにあれば、私は、安定するのだろうか
こういう場合の方法は知って居る
この道をいくら通っても手には届くまい
更に別の山か
それとも、それ以上のもの
でも、その人は今は、展示会をしていない
ああ、死んでしまったのか
そうではなく普通に働いているのか
こういうたぐいの絵を描く人は、死んでいることが多い
なんということか
同士か
孤独な、狭き門は、マイナー
に、殺されるのか
自分の好きな作家は、死んでいる
それ故に、いや、それは、例外的な、一つでしかないのか
心を研ぎ澄ませれば、狂う
行こうと思えば、狂う
自分の完璧は、周りには、異常なのだ
しかし、それ故に、推理小説の探偵のように
その先が見たのだ
見たこともない物へと渇望
そして、そのニエは、大抵自己犠牲だ
それの盾として、不要と思えど
しかし、よくよく見れば、それは同じ自分と同じ
行き先が違うだけの可能性がある
されど、それをつき通す針に、剣になろうとすれば、それは、狼藉ものか英雄だろう
しかし、疲れた
もっと、周りに影響されず、ただ自分が楽しみたい見たいものが見たい
出来る確証が欲しい
時間をかけ、人知れず、周りに影響されず、完璧が見たい
それで良いのだ
自分で、野菜や草
最低げんの住居でいい
せっぱつまったなか
誰にも何も言われず
ただ、完璧を、得たい
しかし、それは、
自分の弱さ 情弱
それに類するメンタル崩壊
繰り返しを壊される
そして、その結果が、この有様だ
なるべくしてなっていたのか
だとすれば、あれがなければ
ああああ、もう、もうだめだ
メールは届くも、その作品はなく
メールアドレスは、ときくが
分からないという
じーざつ
希望と絶望を、織り交ぜながら遊んでいたが
やはり、最初から、あきらめ一遍色で、良かったのだ
何が悪かった
オークションの前に、仮眠を
それとも、眠り時間を、自分なりに、変えていた方が
ああああああああああ
どうしようもない
こけしが、手につかない
かけない
それまで見ていた動画が見れない
日常の破壊は、全てが壊れていく
なに、のほほんと、みていたのか
そんな暇があったら
ああ・・ああ・・ああ
これは、困難がないせいなのか
だから私は
何という事であろうか
私は、私は、私は、私は
私は、あることを、思いついた
タイムマシーンを
タイムマシーンを
世の中、時間が解決するという
しかし、私は、それに、生前を、かけていた
ああ、何という事であろうか
脆くも崩れ去ったのは、わたしのあほうのせいだろうか
ああ ああ
ああ
人は無意味な事をする
若者は、恋人を得がんとするために、無謀な努力をする
私は、無意味が好きだ、この世は結局無意味だ
とんでもなく偉ぶるやつを、技量で、越えて、無意味だと言うのが好きだ
この世は無意味だ
幾ら偉ぶろうとも引っ付こうとも、それは、無意味だ
世の中無情なのである
故に、この装置は、面白い
面白いが、化学では、無い
なぜなら、実証が出来ないのだ
再現不可
それは、化学ではない
故に、感情論だ
科学で化学を倒せないが
しかし、結果論的に言えば、出来た
化学ではないが
これに、私はどれほどの無意味を、つぎ込んだのか
もはや、もどるのもめんどくさい
戻る意味があるのかさえ分からない
しかし、どうせできたのだ
後悔、するかもしれない
今のままでもいいかもしれない
なんか、今もそれなりの別の普通が出来ているような気がする
しかし、これは、何のためかと言えば、あの絵なのだ
もう好きなのかさえ分からない
別の絵で、いや、駄目なのだ
もしかすると、もっと安くもっといい絵を、展示会で見たかもしれない
しかしわたしの猪突猛進、目先の視野の狭さ
これだけを抜くとこうなる
社会性を、あの絵で、いや、あの前から
もしかすると、戻されて
私は、こんな物を、作ってしまった
あああ、何たる無意味、ああ、何たる暁光
これに、いみはあるのか
答えは、ノーだし
しかし、それでも、行く意味は
でも、出来てしまったし
それ以外に、何かするつもりもない
宝くじとか、彼奴と結婚しておけば
とかもない
人生は、無意味だ
私はそれでも、二晩悩んだ、行くべきか行かないべきか
答えは、もうろうと、快楽と、楽と
その方向へと、巨大な竜巻か、蟻地獄
かのように、それは、流砂のごとく、うんめいに、私は、ここまで抗ってきたように見えるかもしれないが
私の手は、ボタンを、そう、あの日あの時間あの秒数
時刻、地球が、幾度回ったか
そのようなものを、超越した計算法を、越えた奇妙さを、ゆうした
その魔の機械に、私は、手をかけていた
猿は、行って帰ってきた
生存に異状なく、カメラもしっかりを、映像を、捉えた
カメゴキブリ等も、生きていた
私は、そして、過去にいた
彼奴、つまりは、私が、寝る時間まで、気が付かれるわけにはいかない
しかし、ここで私は、ここまで来て、私は、ある疑問に思いいたる
ここになぜ私は、二人いるのか
本来であれば・・・いや、早計だ
奴の寝ている屋根裏部屋は
半物置状態だ
その中で、もともとある備え付けの柱にいたが通され
その布団の棚の一番下の棚を、簾のように、布団を、ひき
寝ているが、その日、自分は、その横で、眠気に、負けて、毛布を、被り、いつのまにか、動画を見ながら、眠っていた何て言う事だ、馬鹿らしい、なさけない
どうしてだろうか、何故だろうか
私は、一人、考えていた奴は今頃
簡易温室の骨組みを、こたつのようにして、眠って居る
その横のドアもない屋根裏の一角
段ボールの中に、私は、居た
何とも、情けない物である
しかし、私は、時計を見ていた
時間まで、あと一時間、さすがに目がさえる
隣では、何の物音もしない
私は、直ぐ近くのパソコンを起動させ
時間が来ると、絵を、落札した
二人の競い合いであったが
結果三万という値段になった
ポイントもあったので、それと、クーポンを使い
私は、支払いを終えると
自分の時間に帰る
しかし、私がいない間も、時間は進む
それは、私が中心に動いているとかではなく
それは、この世が、ジグソーぱずるか、精密機械ではないことを、示している
しかし、私のいなくなった、空間を、何が埋めているのだろうか
これはつまり、火葬された人間と、私のいなくなった空間は、さしたる変わりなく
つまり、時間に、対して、私がいなくなるという良く分からない事態は、あまり意味を見出さない可能性がある
私は、部屋に、立って驚いた
何か、異臭が、辺りに、立ち込め、足元は、ぬめって居る
電気をつけようにも、スイッチを押しても、明かりが付かない
もしかして、これは別の場所か
いや、見覚えのある机が、横に倒れて居る
どういう事だ
どうなって居るのだろうか
私は、ただひとり、部屋に立っていたが、壁際の懐中電灯を、持つを、コンセントからぬき
部屋に明かりを、刺した
赤い
それが、部屋を満たしている色だった
「それで、それが、誰かわかるか」
分かるのは当たり前棒吉である
今の時代、何処で生まれようとも、dna情報は、記録される
何処で何をやろうとも、もはや、それに意味は見いだせない
「ああ」
友達と言うのが、重要だと言うが、さすがに、タイムマシーンを、作ると、否応なく、関係が出来る人間がいた
そいつに、聞くと、やってくれるという
危ない橋を
しかし、そのプログラムを作っている連中では、そんなこともないのかもしれないが
「ああ、お前だな」
不意に、冷たいサングラスの奥
薄茶色の瞳が、こちらをみた
「だれだ」
奴は、指さす
「これは、お前の血液だ
何をしたんだ」
さすがに、妙な物を作ってしまっただけのことはある
何か理由はあるのだろうと、いや、興味はないのか
そのまま、後ろを、向くが
つづけて
「何の実験かは知らないが
お前の年齢よりも、十は、若いな」
と、付け加えた
つまり、私が、あの部屋から、過去に戻り
また、戻ってくると、十年前の私が、血液を、残していた
意味が分からない
意味があるのかさえ分からないが
しかし、血液は、残ってばらまかれ、部屋を汚していた
自分の部屋で、自分の殺人が行われていた
つまらない話である
しかし、もし、過去の自分が殺されていれば、今の自分は、生きて・・いや、消えるのか
どういう消滅かは分からないが、存在しないはずだ
だとすれば、死んでいない
献血の液体を、ばらまいてでもしまったのだろうか
どちらにしても私は、あの部屋にいるべきだろうか
もし、十年前の自分が、今ピンチで、のほほんと、無関係を、気取ると言うのも、あれである
あと一秒早ければ
そんな事を思いながら、きえるのも馬鹿らしい
しかし、十年前の自分とは、いつ頃の十年前であろうか
私は、詳細を聞くと、紙を、一枚渡された
定期的に摂取される血液の中で、その中間を、まとめると
おおよその日時は、割り出される
つまり、dnaの劣化を、見ることも、それを、見いだせる要因であるらしいが
私は、紙をもらうと、その足で、過去に、飛んだ
一応の変装を、した後に、私は、夜のまちに、ぽつんと立っている
一応、誰にも会わないような場所に、降りるようには、設定してあるから
私はただ、トイレから出て来た、入っていく姿を見ない何者かである
私は、その足で、自分を探した
十年前となると、馬鹿みたいに、一心フランに、タイムマシーンを、作ろうとしていた時期だ
何も考えず、ただあの部屋に
その建物からは、明かりが漏れている
こいつが、いつ殺されるのであろうか
・・・・いや、まてまてまてまて、そうだそうだそうだそうだ
そうだとも、ここまで来て考えれば、おかしいではないか、そうだ、奇妙だ
なぜ、俺は、タイムマシーンを、作ろうとしているのだ
あれは、あの絵を、落札するために、タイムマシーンを、作ろうと、考えたのだ
しかし、しかしだ、それは、かなえたはずだ
では、タイムマシーンを、作って居ない
あの血みどろの部屋には、あの絵が、一枚飾られていた
魔の絵
そんな単語が浮かぶが、まさかな
私は、こっそりと、その工場を覗くと
私が、一人、黙々と、何かをやって居る
何かをやっていた
それは、良く見知った光景である
今では、不要だとわかるが、まあ、何かのプロセスにはなっていたような気もする
だから、これが無ければいけないのであろうが
しかし、どういう事だ、なぜ、彼奴は、タイムマシーンを、作って居る
何か作る理由は、無いはずであろう
しかし、どうやって、それを、しればいい、知ることは可能なのか、可能だろうが
めんどくさそうでる
私は、ぼんやりと、そう考えたが
一番手っ取り早いことを思いついた
その部屋に入る
鍵の隠し場所は知って居るし
鍵のかかって居ない場所も知って居るし
なんだったら、鍵など仕事中はかけてはいない
「おい、過去の自分」
どうせ、同じような物を作るのであろう
今言ってしまえば、良いではないのではなかろうか
それに、聞いてしまえば、良い
「だっ・・だだだだれですか」
私は、帽子を取らずに
「あなたは、いま、タイムマシーンを、作って居ますね」
相手が息をのむのが分かる
周りに理解者が居ないくせに、理解されると、驚くものだ
「何で、それを作ろうと思ったんだ」
私は、そうやつに促すと
「簡単な話ですよ、どうでも良い事です」
どうでも良い、動機まで同じらしい
しかし、何だろうか
「私は、絵を、いつの間にか、落札していたんですが、全く記憶にない
それが、誰か、何者かによる、詐欺とか、そう言うものだったら、いやですけど
私が落札しようとしていたものだったんです
おかしいとは思いませんか
なぜ、誰が、どうして
もしかして私が、勝手に、分からないんです
もう、分からないんです
この、どうでもよさそうな事、これこそが
私はそう思いました
部屋の中の捜査をしましたが
その為だけに、鑑識にまで、なりましたが、全く何も、出てきません
私と、家族のものだけ
ねえ、あなたは、誰なんです
何処で、これを、知ったんですか
親ですか」
私は、一人、ぼんやりと、奴を見ている
あれは、もし、タイムマシーンを、作り終えたとしたら、何をするのであろうか
過去に戻り、私の姿を、見たのであろうか
分からない
いや、いやいやいやいや、よくよくよくよく、考えてみれば、単純な事、私が、あの空間にいなかった間に、あの血液は、あの部屋にあったのだ
私は、適当に、さらばと、捨て台詞を吐き
マントを翻し
部屋を出た
すぐさま、あの時間にとんだ
一体、何があるかは、分からない、私は、実に、慎重に監視カメラを、設置すると、近くで、張り込むことにした
ファストフード店で、オムライスを、食べながら
だれも居なくなった部屋を、眺める
だれも居ないから
あまり面白い物ではない
暗い部屋に、動きなく
ただ、ジンワリと明るく、センサーが、部屋の中を、監視する
自分の部屋を見ても、余りにも面白くないが
しかし、いつ何時何があるかは、分かりもしない
それは、ピクルスを、口にしたとき、画面に、ぼんやりと動きがあった
「・・・あれ」
それは、どうも、良く見知ったような、気がする
私は、その存在を、良く知って居る
間違いなく、多分、それは、私は、ぼんやりと、その存在を、見つけた
自分である
いや、まあ、自分の過去の血液が、あの場にあるのだから
あそこに、自分がいても何らおかしくはない
しかし、そこには、自分が、二人いるように見えた
その二人ずれは、同じような体つきをしているように見えるが
しかし、なぜ、そこに、そんな事を、思って居ると、一人が、タイムマシーンを、操作しようとしており
それを、もう片方が、止めようとして、争う位になって居る
これはまずい、私は、急いで、部屋に駆け込むと、いつの間にか、一人消え
一つの人影が、こちらを向いている
「お前、何をやったんだ」
相手は、フードを、取る
「やあ」
それは、まぎれもない自分であった
自分、なぜか、そこには、やはり、自分がいる
床は、あの時と同じ状況だ
「もうそろそろ、彼奴が来る
部屋を出よう」
廊下
似たような男が二人歩いている
一卵性双生児とは、このような気持ちなのだろうか、いや、自分自身では、同一人物だから、当てはまら・・・いや、ちょっと、ちょっと、ちょっとまてまてまて、いよいよ、考えると、そう言う場合ではない、ちょっと考えると、これは、分からない
過去の自分は、絵が落札できないで、タイムマシーンを、作ったが
今の変わった自分は、何故落札されたかについて、タイムマシーンを作った
つまり、これは、同じ、人間では、無くなった可能性が高い
しかし、そうなるとどうなる、あの自分と、今の自分は、同じものなのだろうか
いや、何故だろう、なぜ私は、落札した謎の詳細な記憶を、今まで持っていなかったように思えるが
今持ち始めているような気がする
あれ、なぜ、落札できなかった、記憶が、無くなり始めているのか
「おお、記憶が、改変され始めたようだな」
隣の男は言う
こいつは、自分なのだろうか
自分なのか
「お前は、過去を変えたから、今自分の記憶が、その新しい物へと、変わって居る
つまり、お前の過去は、無かったものに、なって居るのだ」
どういう
「お前は、落札できなかった、事を、変えてしまった
つまり、落札できた
そうなると、落札できなかった、お前は、消える
つまり、落札できてしまった
自分が、過去にいるが、落札できないお前は、もういない」
そんなまさか
「いやいやいやいや、落札できなかった俺が、落札できた俺に、変えるという記憶は、残るだろ」
相手は、チチと指を鳴らし舌打ちをして
「消えるんだよ、お前は」
という
「じゃあ、お前は、誰なんだ」
と聞くと
「俺は、あの落札した時間に、戻ろうとする自分を、止めて、説得した自分だ」
意味が分からない
「過去を、覗くのが、なぜ悪い」
男は、首をふる
「考えてもみろ、そんな事をすれば、またいろいろ変わる
そうなると、俺も、消えなければいけない
もう面倒だと思わないか」
だから
「だから殴ったと」
「まあな」
全く意味の分からない
「でも、そうなると、お前は、何処に帰るんだ」
変えるんじゃない
戻るんだ
全ては、一つに
男はそう言うと、消えていった
部屋には、鮮血が
ただ、私も、もうそろそろ、戻らなければいけないかもしれない
鉢合わせに、なりたくは・・・
目の前に、動くものがある
めんどくさい
これは、時間の揺れか
どちらにしても、手加減とは、どう言うものだろうか
「おい、お前、何しに来た」
「単純です、あなたが、行った、時間へと行ってみたんです
しかし、どうして、あんなことを・・・まあ、落札できなくて、こんな、タイムマシーンを、作ろうなんて
馬鹿な事を、しましたね」
何か、頭を、イラついた考えが浮かぶ
「それにしても、この部屋は、何か、生臭いですね」
私は、近くにあったタイムマシーンで、相手を殴る
そう言えば、昔、大けがを、した後、記憶が、曖昧だったような気もする
それを、知ろうと
目の前の影が、消える
そろそろ、帰ろう
私は、自分のタイムマシーンを、弄りながら
自分の存在の集約を、考えていた
さまよえるタイムエントロピー イタチ @zzed9
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