読者さまのリクエスト③ やっぱりBLはこうでなくっちゃね
97 金玉はプロポーズを受け入れるのこと
「金玉、金玉……目をさましてくれ」
「う、ううん」
金玉は目をひらいた。
眼前には、申陽の顔。金玉は、着衣の申陽に抱き起されていた。自分はみだらな赤い花嫁衣裳を着ている。洪水前と同じだ。
「よかった。無事だったね――」
「ま、待って」
金玉は、申陽の口づけを押しとどめた。
「恥ずかしいのかい?」
「その誓い、いつまでやったらいいの? 一生?」
「いや、もういいんじゃないかな。だって君は男に戻ったし」
「えっ?」
金玉は花嫁衣裳の切れ込みから、胸をまさぐり、股間に手をいれた。
ぼく……男に戻ってる!
――解説しようっ!
呪いを解く条件は「金玉を七日七晩調教して、後庭の喜びを教え込み、この張形が入るくらいにまで十分に拡張する」ことであった。
金玉は七日七晩調教され、後庭の喜びを知った。
そして
呪いを解く必須条件とは「虹色の張形を受け入れること」ではなく「十分に拡張すること」であったのだ!
それがゆえに、存分に押し広げられた金玉は、ふたなりの呪いが解けたのだ!
「さあ、だから、ね……」
申陽は再び金玉の唇をうばおうとしたが――。
ばちーん。
「ぼくにあんな恥ずかしいことをしてっ!」
金玉は平手打ちをくらわせて、ばっと立ちあがった。
すると、後庭からドロリと何かが垂れてきた。
「あ、ああっ……」
それは非公開部分96.5話で、痴態の限りを尽くし、申陽のものを受けとめた証だった。
「ひどいよ、申陽さん! ぼくたち、結婚もしてないのに」
「君がのっかってきたんだろう?」
「あんなやり方で、ぼくの貞操を奪っておいて……最低!」
申陽も「さすがに、初体験であれはやりすぎたか」と反省した。
そもそも「恥ずかしいと言ってはいけない」という誓いは、完全に申陽の趣味だったし。
「さっさとひざまずきなよ、この下郎!」
「は、ははっ。申し訳ありません」
申陽は、どんなプレイがはじまるのだろうかとワクワクした。
「あんなに激しくしてっ! 痔になったらどうするんだよ!」
「その場合、もちろん私が全力で治療いたします」
「……そうだ。太上老君さまがいってたよ。痔は、なめれば治るんだってね」
そして、花嫁衣裳をまくって、申陽に尻を向けた。
「なめなよ、できるだろ?」
――申陽は、恍惚となった。
足をなめるなど、しょせん
やはり私のご主人様は、この方だけだ……。
「ああっ、金玉さまっ」
「んっ、舌入れるなよ」
「こうせねば治りませんっ」
「このクソ豚!」
「私、責任をとって、一生涯あなた様にお仕えします!」
「ぼくだって……申陽さんは、ずっとぼくの性奴隷なんだからあっ……」
「金玉ちゃ~ん、どこかなー?」
――いた!
――だが!
えっ、あれ金玉ちゃん? いや男……男じゃん、どうみても。
胸、なくなってるよね。え、なんで、なんで。それとさ……。
やったよね、やったでしょ、わかるし。ドロドロ垂れてるんでしょ。
非処女じゃん。無理じゃん。僕の好きなのは処女ビッチだよ。
さらに、申陽が金玉にプロポーズする場面を見て、
いや、無理……僕もそこまでは……うん、やっぱ無理……ごめん……。
悦蛇は金玉の性癖についていけず、くるりと
「さらば、わが愛」
彼はこうつぶやくと、まっしぐらに洞庭湖に帰り、その身をぼちゃんと水に沈めた。
湖面には、そよそよと穏やかな風が吹くばかりであった……。
以下、次号!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます