第16話

 そして、もう一度勉強会を開いたり、それに行く時にしずくに教えるのを忘れてて、行った後にメールを使って教えて、その日家に帰ったら、しずくがブータレて居て、それを見てミーシャみたいだなと思い懐かしさに浸ったり、しずくと約束していたパフェを食べに行ったり、魔法科に入る事を断ったりして、あっと言う間に、テスト前日となった。


「テスト、いよいよ明日だな。凄い俺心配なんだけど」


「大丈夫よ、なんだかんだ言ったって勉強してたじゃない。そもそも、特進クラスなんだから全体の平均よりかは高く出るわよ」


「特進は特進の平均が出るからそれよりも低くちゃダメだろう、まず特進は全体の平均よりも15〜20点ぐらい高いんだろ?特進の方がハードル高いじゃないか」


「それは当たり前だと思うぞ、秀太」


 セントチュアリーでは、年に5回テストが行われる。


 中間テストが2回、期末テストが2回、そして学期末テストが1回だ。


 各学科によって、テストの内容は変わるが、普通科と魔法科、魔工科の国語、数学、理科、社会の4教科は変わらない。


 そこに、魔法科であれば実技と筆記のテストが、魔工科であれば魔工の筆記のテストと魔法の呪文などを抜いた魔法の原理だけに絞った筆記テスト、学期末に一年を通して作ったものを提出する。


 それはバロットでも、魔道具でも、魔工の技術を使っていれば、基本的には何でも許される。


 魔工科も、魔法科も、全体の人の数に比べれば少なく、どの企業も喉から手が出るほど欲しい。


 のだが、それも有る程度の魔法師、魔工師出なければ必要とされない。


 魔工師も勉強をすれば大人でも習得する事ができるためである。


 魔法師は才能と魔力の量が作用してしまうが、魔力は遺伝する為、今は、殆どの人間が魔力を持って居るし、初期の初期の魔法なら殆どの人が習得出来る。


 その為、セントチュアリー他にも、私立高校などでは、セントチュアリーなどまで届かなかった魔法師を育成したりする高校もある。その殆どが、魔法を生かせずに頭脳だけでIT企業に入ったりするのが、実態なのだが。


 魔工は魔力を持っていなくとも、慣れるがそれも初期の段階にしかなれない。


 理由は初期の段階を抜けて次に待ち受ける物が鬼畜すぎるからだ。


 魔法の原理を理解しなければいけない。魔法の原理とは、魔法が発動するプロセスや、電気で、魔法陣のをどうやって起動するのかと言う事だ。これがとにかく大変で一気に専門用語が増え、覚える事がとんでもなく多くなる。


 特にバロットなどの魔道具を作る場合は、電気を使ったり、数学の計算を必要とする為、数学の知識や、理科的な知識をより深く覚えておく必要がある。


 魔工の初期の段階は、子供用のキットなどが売られるほど簡単なものであるが、その後の壁が高い為、簡単だと思って入った者などの人は落ちていく。


 この時点で魔工をやりたいと思う人は4分の1以下に落ちてしまう。


 その為、魔法科とは違いセントチュアリーなどの学校以外で教育をしている機関は、ないと言っても過言ではないぐらいに存在しない。


 その為、魔工科として卒業が出来れば、真魔工などのの大手企業に就職する事が確実と言っても良いぐらいに可能性が高い。


 しかし、その過酷さ故セントチュアリーに魔工科として入学をしても、途中で付いてこれずに普通科や理学科などに落ちてしまう人も多い。


 こればっかりは、落ちぶれていく人を助けるということは、本人のやる気が無くなってしまっている為出来ない。


 それでも魔工科は、相当な頭の持ち主であると言える為、普通科などに落ちても、余裕で勉強には付いていく事が出来るらしい。


 話を戻すが、テストは各学科の平均が出る。特進がある魔工科と、魔法科以外は、一般クラスだけなのでこの際は説明はしないが、特進のあるこの2つの学科は、一般クラスの平均と、特進クラスの平均が出る。


 大体の場合、特進クラスの平均はクラスの平均よりも15〜20点程高く出る。


 テストの度には入れ替わりは起きないが、学期が変わると特進クラスの入れ替えが起こる。


 それでもしかしたら特進クラスの人数が増えるかもしれないし、減るかもしれない。


 そう言う可能性がテストの結果次第ではある為、かなりのプレッシャーが掛かる事になる。


 そのプレッシャーが、勉強をしなければと言う事の着火剤にもなっていると思われるのだが。


「まぁ、取り敢えずは全部85点以上ぐらいの目標を持っておけばいいんじゃないか?」


「本当に俺はプレッシャーに弱いからきついな」


「よくそれであんた受かる事が出来たね」


 香りがそう言うと、秀太はアハハと笑う。


 それとこれとは違うと思うと言って、しよりに突っ込まれていたが。


 話していると、予鈴がなり全員が着席する。


 今日は自宅学習の時間を取る為という理由で、学校は午前中だけで終わった。


 いつも通りしずくと校門で待ち合わせをして、そのまま一緒に下校する。


 しずくって友達の話とか一回もしてないし、俺みたいに勉強会みたいな感じで遊びに行って居ないので、大丈夫かな? となる時はあるが、須田英治の記憶を覗くとそれに付いてあんまり話していなかった事から何となく聞かないほうがいい物だという風に考えた。


「なぁ、しずくは今日勉強するのか?」


「ううん、しないよ、教科書の内容全部頭に入ってるし、敢えて言うなら、授業中ずっと寝てても何とかなる。と思う」


 ※


 ついにこの日が来た。中間テスト当日の日が。

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