第7話
リーナ先輩と、高野先輩は、各自席についてあの三角柱を、立てる。
リーナ先輩は、正確には三島・リーナクロースと言うらしいだから、三島先輩と呼ぶのが失礼にはならないな。
俺がそんな事を思っていると、ドアを開けて真野妹と、人がが2人入ってきた。
「悠哉、いずみ。その子は?」
高野先輩は、今入ってきた人達を名前で呼んでいるので、生徒会執行部のメンバーなのだろう。
「この子ですか? ドアの前でドアに手を掛けたり、手を下げたりを繰り返していたから、声をかけたら、案の定執行部のメンバーの子だったから中に入れました」
「そう、てことは貴方が真野しよりちゃんだね。私は生徒会長の高野花音です。これから半年宜しくね」
「すいません、遅れました!」
その声で、生徒会執行部のメンバーは、俺を含め声のした方を向く。
そこに居たのは、白い髪に赤い瞳のよく知った人物であるしずくが立っていた。
「まだ全然大丈夫だ。柏木。初日だからか、全員集合時間の五分前に揃っているから、遅かったかのように思えるかもだが、そこの花音は、いつもギリギリに来ているそれに比べれば全然問題ない」
「ねぇ、悠哉。あんまり余計なこと言わないでもらえる?私は今年から五分前に行動することを、目標にしてやっていくから、それは過去のこととなるの。分かった?」
「分かりました。それが本当になることを望んでいます」
2人の会話と、悠哉の綺麗なお辞儀で生徒会室内が変な空気へと変わった。
「そんなことは置いといて、早く始めちゃいましょう。一年生が呆気にとられていますので」
そのいずみ先輩の一声で、委員会が始まった。
楕円形の机にしずくと、真野妹に挟まれるようにして座らされて少し居心地が悪いままに、生徒会執行部の自己紹介が始まる。
「私は、生徒会長の高野花音です。私もみんなの事を名前で呼ぶので私のことも花音と呼んでください。魔特3年です。半年間宜しくね」
ピンク色の髪の花音先輩は、立ち上がり優雅に礼をしてみせる。彼女はかなり、フレンドリーな感じの人らしい。
魔特と言うのは、魔法特進クラスの略語である。ちなみに、魔工特進クラスのことは、工特と言われている。
この学校の生徒会長と副生徒会長の任期は半年で、前期と後期に分かれる。
別に前期と後期同時に生徒会長をやっても良いし、高校と大学が一括なので受験がない為、三年生でも後期に立候補することが許可されている。
「次は俺だな。副会長の高桑悠哉だ。工特3年だ。半年と短いが宜しく頼む」
こちらは、黒い髪に黒い瞳の、2000年ごろ純日本人の見た目のイケメンがいた。
俺自身顔はあまり良くなく、多少目つきも悪い為、やはりイケメンを見るとやはり嫉妬のようなものを抱いてしまう。
副生徒会長は、男女1人ずつ選出される、生徒会長の補佐役である。
こちらも任期は半年で三年生でなくてもなれる。三年生でも後期も出来ることなどは、生徒会長と全く同じである。
唯一違うところは、立候補するわけでは無く、生徒会長が2人を任命するところだろう。
「私は、三宅・リーナクロース。工特3年で、副生徒会長。呼び名は絶対にリーナと呼びなさい。先輩付けも禁止だし、三宅先輩と呼ぶことも許さない。いいね?」
金髪碧眼のリーナは、顔つきなどから日本人ではないように感じる。
名前からしても多分何処かと、日本のハーフだと思う。
他の先輩達と同じく礼をして、一際強い声でリーナと呼べを強く主張してくる。
花音先輩達に目を向けても、いつものことだからと言う目を、俺達全員に返す。
「次は私です。書記の結城いずみです。魔特2年です。書記は1人しかいないので、一年生の誰かが私と組むことになります宜しくお願いします」
こちらも、茶髪で黒色の瞳を持った純日本人の女性に見える。
書記は、選挙などは無く、生徒会の委員会活動としてやっている為、生徒会長がお前は会計だと言えば会計になるし、書記にもなる。
結城先輩も、礼をしてそのまま俺たち一年生の番となる。
先陣を切ったのがしずくだ。
「私は、柏木しずくです。魔特一年です。宜しくお願いします」
その綺麗な礼をしたしずくはそのまま座り、俺の番になる。
「俺は、須田英治と言います。工特一年です。宜しくお願いします」
俺も礼をして、次は真野妹の番となる。
「わ、私は、真野しよりです。工特一年です。宜しくお願いします」
水色の髪をなびかせ綺麗な礼をして見せるが、緊張しているのか、弱々しく小さい声だったが、みんな聞き取れたようなのでそのまま、続けられる。
身長はあまり高く無く、俺よりもちょっとだけ高い感じだ。高一にしては低いよな
「じゃあ、役割を決めよっか。英治君ととしよりちゃんは、計算得意よね? しずくちゃんには消去法になるんだけどね、書記をやってもらっていいかしら?」
「わかりました、大丈夫です」
花音先輩が、俺たちに計算が得意かどうか聞いたのは、俺達が工特だからだろう。
そうやって案外簡単に決まったのだった。
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