第3話

 本藤先生の自己紹介が終わると、順番に俺たちも、自己紹介をする事になった。


「まずは、出席番号1番の、天星君」


 本藤先生に指名されたのは、青髪の爽やかイケメンと言うのが一番良いと思われる、美少年だった。


 髪の色は、昔の魔女が自分の髪の色を魔法で、遺伝子を組み替えて、人工的に色を変えている人が多くそれにより、色々な髪が存在する。それと同時に目の色も同様の理由で違う人が多い。


 本来人間の構造的に自然に生まれることのない、ピンク色や、白色と黒色が混ざっているなどの事もよくある。


 魔法の才は、子へと遺伝はするが、時々両親は、とても優秀な魔女なのに、子供は全く才能を持っていない事や、その逆もある。


 それが1000年も続いたのだから、昔あった髪の色が普通とは違うやつは魔女だ。という考えはほとんど意味がない。


 閑話休題


 天星くんという彼は、席を立ち上がり、礼をして自己紹介を始める。


「僕は、天星嶺二と言います。宜しくお願いします」


 そうやって簡易的に自己紹介を終わらせて再び席に着く天星。


「次は、ボクだぞ。ボクは後藤真梨、あと……好きなものは、機械弄りだぞ、部活は魔科学ロボ研志望宜しくなんだぞ」


「私は佐藤愛菜、好きなものは、特になし。部活は科学研究部。宜しく」


「わ、私は、白穂清あずみです……す、好きなことは、人形や裁縫で、部活は、しゅ、手芸部に入りたいです」


「杉田なつき、宜しく」


「俺は須田英治、見ての通り中学生、好きなこと・部活は、特になし宜しく」


「僕は鳥島秀太、クラスのみんなと仲良くなりたいなって思ってるから気軽に声かけて」


「俺は橋本雄牙、宜しくだ」


 座ると同時に何か、睨み付けられたんだけど怖っ……


「私は真野かおり、好きなものは、運動。部活は、テニス部に入るわ、ちなみに、この子は私の双子の妹」


「えっと、私が真野しよりと言います。好きなことは読書で、部活はゆったりとした部活に入りたいです。宜しくお願いします。お姉ちゃんの妹です」


「これで全員の自己紹介が終わりました。一年魔工特進クラスは、男子4人、女子6人です。皆さん仲良くして下さいね」


 えっと……やばい名前が覚えられねぇ、担任が本藤先生でえっと……一番が……あーもう分かんね!


 30人は覚えれなくても、10人ぐらいならと思ったけど、ダメだったか……まぁでも覚えれなくても、問題ないか。


「この後は、部活動見学が一週間ありまして、その間文化部、運動部、どれでも構わないので、必ず一つ以上は入って下さいね。今日はこれで解散です。挨拶は省略しますね」


 この高校には、いくつもの部活動がある。科学、魔術に関わらず、野球、剣道、テニス、吹奏楽、写真部といったほとんどの部活が賞を取っているという事が、渡されたタブレットの中にある部活動の情報で分かる。


「帰宅部は……やはり無いか」


「須田、お前ってやつは……別の高校に行ったけど、お前と同じようなこと考えてる奴が俺の友達にもいたぞ……」


「だったら鳥島、お前何部に入るんだよ」


「そう言われると、僕も決まっていないんだよね」


 後ろを向き話し掛けてくる鳥島に、俺はタブレットを操作しながら、返答をする。


 この高校に入るときに、部活には必ず入らないといけないということは、知っていたしどんな部活があるかも分かってはいたが、結果決められなかった。


 これは、後回しでいいか……とりあえず、家に帰って、教科書を読もう。


「んじゃ俺は帰る。さよなら」


 俺はそういい、鞄にタブレットを入れて席を立つ。


「てっ、須田! 部活見学どうするんだよ」


「しない、まだ4日もあるから初日からしなくてもいいから」


 俺は、教室のドアから出て下駄箱に向けて足を進める。


 この学校は、「国立科学魔法高等学校セントチュアリー」とは言ってはいるが、高校と大学が一つとなった教育機関である。そのため合計で7年間通うことになる。


 3年目の終わりに別の高校からの受験で、セントチュアリーに来る人も居ればその逆もある。毎年外部生には、とても難しい試験があるのだが。


 普通科、文学科、理学科、魔法科、魔工科、という、5つの科に分かれている。


 普通科は、まだ科が決まっていない少数派と、何か事情があり他の科に、行けなかった人々が集まるクラスであり、2年生には強制的に、どの科に入るかを決めなければならない。


 文学科と理学科は2000年まで、科学派の世界、“エレクトロン”にあった物と全く変わらない。


 魔法科は、こちらも2000年まで、魔法派の世界“マホストム”にあった、魔法や、魔術といった魔法系を中心にやる科である。他の教科である。国語、数学、理科、社会といった四つの教科に魔法系の勉強も入るため、文学科、理学科よりも難しくなる。


 当然受験時の試験にも、影響が出る。他の科と同じ4つの教科に魔法の実技と筆記の試験が入る。実技については、その人の才能が物を言う。


 そして、一番の難関となる魔工科。魔工科とは、魔法陣や、魔法の技術を組み込んで、出来る魔術具などの機械を作る科である。


 そのため魔工科は、今までの4教科と魔法科の筆記試験そして、魔工科の6つの試験が必要となる。


 これによって、魔法科と魔工科に進むことの出来る人数はとても少ない。


 それでも、セントチュアリーに進む人は、とても多い為、一番少ない魔工科でも、A〜H組までの10クラスある。


 魔工科、魔法科は個人の差が、殆どを決めてしまう為、特進クラスという形で、優秀な生徒を集めいる。

 

 俺は、下駄箱へ向かう為の階段を降りた。

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