第八話 風呂上がりの飯

「いい湯だったなぁー」

 2人は暖簾をくぐり外に出た。

 さっきよりも客は増えており銭湯上がりの人々が涼んだりくつろいでたり。

 二人は自動販売機の前に立つ。ズラッといろんな牛乳が並んでいる。

「やっぱり風呂上がりはこれっしょ」

「だね……って瓶とパックがある」

 180mlの牛乳。瓶と紙パック。どちらも容量は同じ。

「んー、紙パックよりかは瓶だろ、ほか瓶で飲んでるだろ他の人達も」

 よれたシャツを来て手に越しを当てて飲み干すおじいさん、数人ほど。

「だね、雰囲気的にも瓶だね」

 と二人はそれぞれ瓶の牛乳を買い、一緒に飲み干した。あっという間に。

「うっめー!!!」

 と同時に声が出る。

「あぁーこのあとはランチ行きますかぁー。ここの釜飯うまいらしいから」

「少し時間もずらしたし、お腹も空いたしね」

 と二人は食堂に向かう。

 案の定先程よりも人は少なくなったがまだまだ賑やかである。中年女性のグループもちらほら。


 案内してもらった席で2人はランチ御膳を注文する。


「昼から御膳食べるの贅沢かな?」

「たまに食べるんだからいいんだよ」

 シバはニヤっとした顔をする。その顔がとてつもなくたまらない湊音。


「こうやって息抜きするのが大事なんだってば」

「そうだね」

「2人には内緒だし」

「うんうん……えっ?!」

 湊音はシバを見る。シバはハッとした顔になった。


「たしか2人にはここにいること報告したんじゃ?」

 シバはあちゃーっと思ったがその時2人の元に御膳が届いた。


 天ぷらに刺身、牛肉……昼から贅沢三昧。


「ま、まぁ食べよう……食べよう」

 目が泳ぐシバに湊音は疑いつつも2人の近況を語らいながら食べることにした。


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